「隠さない」パッケージ 社内セミナー、男性も


外壁に貼り付けられた生理用ナプキン。生理について考えるきっかけに(東京都渋谷区)

働く女性が増え、生理について職場でオープンにしてサポートする動きが広がってきた。生理と向き合うことは、体を大切にするだけでなく、ライフプランを描くにも欠かせない。生理用品や売り場も少しずつ進化してきた。

「女性の生涯の生理の回数は、戦前と比べどのくらい増えていると思いますか」「答えは10倍。500回ほどあります。出産回数が減ったことなどの影響です」

9月、全日本空輸の本社や事業所で、生理の基本的な仕組みや生理に伴う不調など、女性の体や健康について学ぶセミナーが開かれていた。

経済損失6800億円

「生理痛にこんなに個人差があるなんて。今まで話したことなかったから知らなかった」。受講した女性は驚く。男性社員からは「同僚への接し方を変えようと思った」との声も。「働き続ける女性が増え、健康とうまく付き合うことが組織にも社会にも重要になっている」(人財戦略室の脇本依子マネジャー)

提供するのはドコモ・ヘルスケア(東京・渋谷)。2016年11月から産婦人科医などと企業に出向く。これまで20社に提供。「女性の採用を増やしたい企業の関心が高く問い合わせが急増している」(江刺幸子さん)。参加者の2〜3割は男性で「部下にどう接したらいいか分からない管理職が多い」という。

バイエル薬品(大阪市)によると、月経随伴症状による社会への経済的負担額は年間6828億円。うち7割以上が労働生産性の損失だ。この推計は13年公表で、当時に比べ女性の就業率は上昇。さらに額は膨らんでいるとみられる。

経済産業省の調査(18年)では「勤務先で女性特有の健康課題や症状で困った経験がある」は52%。なかでも生理関連の症状が72%を占めた。

「生理用品の機能は向上しているのに漏れなどトラブルは増加。多忙で自分のタイミングでトイレに行けない人が多いのではないか」。生理用品ブランド「ソフィ」を展開するユニ・チャームの長井千香子ブランドマネージャーは現状をこうみる。「化粧品は情報交換するが生理は置いてきぼり。もっと気軽に話せる空気をつくりたい」。話題にでき、働きやすくなれば生産性も上がる。

6月、プロジェクト「#NoBagForMe」をインフルエンサーらと始めた。生理用品は買うと紙袋に包まれる。これが生理を「恥ずかしい」と捉えることにつながるとみて、まずは隠す必要のないパッケージを開発。年内には店頭に並ぶ。

変化の乏しかった生理用グッズが最近、変わり始めた。注目は経血吸収型のショーツ。経血量が少ない日はナプキンなしですみ、洗ってまた使える。インテグロ(東京・中央)の「エヴァウェア」(5500円)は昨年の発売以降、急速に売り上げを伸ばしている。

売り場も充実

売り場も変わる。大丸梅田店(大阪市)は22日、女性の体のリズムを意識した売り場「ミチカケ」をオープンする。一般に、1カ月ごとの生理周期は4つの時期に分けられ、ホルモンバランスによって体や心の状態も変わる。体調も気分も沈む「どんより期」、浮き沈みのある「ゆらゆら期」といった時期に合わせた衣料や食品などを扱う。

「生理は食事や睡眠と同じ。なのに男性はもちろん、女性でも人によって感覚が違うから言いづらい。だからこそいいきっかけになる」(30代の女性会社員)

10月、東京・渋谷の商業施設の壁に生理用ナプキンがずらりと並んだ。集英社のファッション誌「SPUR」の広告だ。カラフルなパッケージに包まれたナプキンを持ち帰れる試み。「人の目に触れる場所に出し、体について考えるきっかけを作れたら」(五十嵐真奈編集長)。生理は日常のこと。もちろん価値観に個人差はあっていいが、やっと話せるときがやってきた。

(井土聡子氏)


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