日本経済新聞社は上場企業など国内637社について、国連の「持続可能な開発目標(SDGs)」にどう取り組んでいるかの視点で格付けした「SDGs経営調査」をまとめた。環境や社会など「非財務」の成果を投資判断に加える動きが広がるなか、上位34社で後続グループよりも自己資本利益率(ROE)などの指標が高い傾向がみられた。新規事業の開発や経営計画にSDGsを取り入れ、課題解決の力を成長につなげる機運が高まっている。



SDGsは2015年の国連サミットで採択され、30年までに達成を目指す国際目標。経済や環境、社会分野で17目標がある。国連は目標達成のための資金を年間5兆〜7兆ドル(約540兆〜760兆円)と見積もる。

機関投資家などが環境や社会、ガバナンス(企業統治)に配慮した「ESG投資」を拡大するなか、SDGsは企業側が活動の指針とし、対外的に取り組みを発信するための国際的な共通基準になるものだ。

総得点の偏差値が70以上の首位グループはキリンホールディングス、コニカミノルタ、リコーの3社。コニカミノルタはあらゆるモノがネットにつながる「IoT」を介護の現場でも活用。サービスの質の向上と職員の負担軽減を両立するなどの目標を定めている。

偏差値65以上は34社。このグループの売上高営業利益率とROE(16〜18年度平均の中央値)は、それぞれ8.2%、11%だった。偏差値60以上65未満だと、7.8%、10.1%。55以上60未満では6.7%、8.2%と下がっている。SDGsを経営に生かしている企業ほど、収益力が高い傾向が鮮明となった。

国連は企業に事業を通じたSDGsへの貢献を促している。課題解決の活動がイノベーションを生み新たな市場が広がる可能性がある。

SDGsと事業の関連については「新規事業の創出に組み込んでいる」が33.6%に上った。また6割の企業が中長期経営計画にSDGsを織り込んでいると回答した。

オムロンは子会社を通じ、常時手首に着けられる腕時計型の血圧計を3日に発売する。日米で医療機器の認証も取得済みで、外出時や職場で手軽に計測可能。データは専用アプリで解析でき、脳卒中や心筋梗塞などの削減に役立てる狙いだ。

中長期経営計画で掲げているSDGsの目標で最も多いのは「気候変動への対応」(53.4%)。「働きがいと経済成長」(50.4%)、「製造と消費の責任」(48%)が続いた。二酸化炭素(CO2)排出削減や働き方改革、サプライチェーン(供給網)を重視する姿勢が表れている。

三菱ケミカルホールディングスは風力発電機のブレード(翼)向け炭素繊維を開発。ブレードの大型化が進み軽量化と剛性が求められるなか、新素材でエネルギー供給拡大に貢献する考えだ。

業種別では電機、精密、機械の平均偏差値が最も高かった。製品の省エネルギーやリサイクル性を高めている企業が多いことが背景にあるようだ。製造業と非製造業を比較すると製造業が7.6ポイント高い。サプライチェーンでの取り組みや、製造責任の有無などで評価に差が出たとみられる。

今回の調査ではSDGsへの貢献における課題についても聞いた。「経営層も一般社員もSDGsを理解し行動すること」が66.2%と最多。SDGs経営の社内への浸透が不十分だと考えている企業は多いようだ。

SDGs経営調査は今回、初めて実施した。事業を通じてSDGsに貢献し、企業価値向上につなげる取り組みをSDGs経営と定義。「SDGs戦略・経済価値」「環境価値」「社会価値」「ガバナンス」の4つの視点で評価した。国内の上場企業と従業員100人以上の非上場企業が対象で、637社(うち上場企業601社)から回答を得た。


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