教育の現場で国連が掲げる「持続可能な開発目標(SDGs)」を、社会課題を解決するためのテーマとして取り上げる動きが広がってきた。民間企業と組んで体験型のプログラムを用意したり、生徒がSDGsをより身近に感じられるように独自の目標設定を試みたりする高校もある。2つの事例を取材した。

「ビーツっていう野菜を初めて食べた」「カボチャの種まで入っているなんてびっくり」。8月上旬に東京都内で開かれた「食品ロス」を考えるイベントでは高校生ら約50人の参加者が、ミツカングループが開発した棒状の食品などを味わいながら感想を言い合っていた。

これは10代の若者と社会人とを橋渡しする民間プロジェクト「近未来ハイスクール」が、SDGsの掲げる17の目標の一つ「飢餓をゼロに」を題材に高校生に考えてもらおうと企画したプログラムの一環だ。

2日間の「授業」ではまず初日に農林水産省の役人や野菜生産者が講師となり、「家庭での食品ロスの内訳は食べ残しや皮のむきすぎ、賞味期限切れ」であることを説明。日本では「1人あたり茶わん1杯分の食べ物を毎日捨てている計算になる」ことなど、食品ロスの現状や持続可能な農業のあり方を紹介した。

ただ、プロジェクトを運営するオプンラボ(東京・千代田)の小林利恵子代表は「飽食の日本で食品ロスをなくし、さらに世界で飢餓をなくすための解決策を座学だけで解決するのは難しい」とみる。体験を通じて高校生により身近な問題に感じてもらおうと、手を組んだのがミツカンだった。

ミツカンは今年3月、食品ブランド「ZENB(ゼンブ)」を立ち上げた。トウモロコシやビーツ、カボチャなどの野菜を芯や種を含めて丸ごとすりつぶし、砂糖や添加物を使わないスティック型の食べ物と、スープやドレッシングに混ぜて使うペーストにして発売している。

食品の廃棄物を削減できるほか、素材の栄養を余すことなく摂取できることが特徴とあって「食品ロスの解決策のリアルな例だ」と小林さんは評する。同商品を活用することで、「食糧不足の解消や環境負荷の減少を目標とするSDGsのテーマに具体性も持たせたかった」と語る。

2日目の授業では、参加者はペーストを使った料理などを試食するとともに、「使っている野菜の形のパッケージにすると目立つ」「『心も体も満腹に』といったキャッチコピーはどうか」などゼンブの魅力を伝えるアイデアも練った。

埼玉から参加した下館麻以さん(昌平高校3年)は2日間の授業を終え、「食べることがままならない国もある一方で私たちは恵まれている。食品ロスや飢餓といった世界の問題に取り組む日本企業の存在を知ることができたことも有意義だった」と振り返る。学んだ内容は同級生に伝えたいという。

同プログラムへの参加を授業の単位として認めた高校もある。都立駒場高校は「社会のいろいろな立場の人や他の高校の生徒と関わることができる」(木村裕美主任教諭)点に着目し、13人の生徒が参加した。

その一人、小久保太陽くん(1年)は「食品ロスという重く大きなテーマを身近なこととして考えられた」と語り、「食べ残しをしないように気をつけたい」と気持ちを新たにしていた。
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