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重度の知的障害がある息子に生活の場をつくりたいと、NPO法人のクリエイティブサポートレッツ(浜松市)を立ち上げた久保田翠・理事長(57)。半生をたどる連載の最終回は、地域や人との交流について。そこから自立の糸口も見えてくるという。

◇   ◇   ◇

 重度の知的障害のある人をありのままに受け入れる――。「たけし文化センター」の理念をとりいれた福祉施設を2010年に浜松市郊外に開設。2018年には同市の中心部にも新施設を立ち上げた。
街中に出たのは、このままじゃいけないという危機感からです。世の中には共生社会といった言葉があふれていますが、彼らに接したことがある人は本当に少ない。知らないから目を背ける。言葉では伝わらないので、我々から出て行って知ってもらおうと考えました。

街中では多くの発見があります。家電が大好きな人が、電気屋さんに何時間も居座り、オーディオアンプを前に「これがほしい」とねだり続けました。付き添っていたスタッフが店員に聞くと8万円もします。手持ちは70円しかありません。

店員から「高額なので売り切れはないと思います。後日ご来店されても大丈夫ですよ」と丁寧に対応されると、その人は「そうですか」と言って、さっさと帰りました。街中では店員と客という関係が確立しており、障害者が訪れてもこうしたコミュニケーションが成り立つことに驚きました。

2017年度には、芸術分野で優れた業績をあげた人を対象とする「文化庁芸術選奨」の新人賞に選ばれた。
知的障害者の存在を知ってもらい、イベントなどを通して社会を揺さぶる。そんな活動が「芸術」として認められたのはありがたいことです。

ただ重度障害のある息子を持つ私たち家族にとって、ここにいたる経緯は生き延びるための一つの対処法だったようにも思います。

ずっとそばで支えてくれた夫は今年3月に病気で他界しました。仕事を続けながら、息子の壮(たけし)を献身的に介助し、最期まで彼のことを思っていました。今の社会では家族にかかる負担が大きすぎます。私の目標は壮が自立することであり、そして壮の自立は私の自立でもあると考えています。

 浜松市中心部の新施設には宿泊・住居機能もある。壮さんは10月から、そこで暮らし始めた。
知的障害者は親が亡くなった後のことを考えなければならないといわれます。果たしてそうでしょうか。

先日、壮が髪を金色に染めました。文化センターに泊まりに来た人やスタッフが「カッコイイんじゃないの?」というノリでやりました。最初は本人の意志なのかと戸惑いました。

けれども23歳になった壮がどう生きるべきか、何が幸せかは、親である私にも分かりませんし、いつまでも親が決めていいわけがありません。金髪にしたのは、友人たちが意見を出し合い合意形成した結果です。壮にとって新たな関係を開くきっかけになると思っています。

それは障害のない人でも同じでしょう。人は様々な人から影響を受けて自分を形成しています。そこに厚みがあればあるほど、豊かな人生になるのではないでしょうか。

(安芸悟)


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