緑に囲まれた三重県南部の林野にダンプカーが連日やってくる。積んでいるのは2020年東京五輪・パラリンピックをはじめ大都市圏の工事で出た大量の建設残土だ。突然現れた「土の山」に住民からは土砂崩れなどを危ぶむ声が上がる。なぜ残土は三重に集まるのか。(嶋崎雄太)

三重県の紀勢自動車道を走ると、ピラミッドのような茶色い土の山が見える。紀伊長島インターチェンジ(同県紀北町)近くの山林の一角。約3年前から建設残土が少しずつ積まれ、現在は十数メートルの高さになっている。

近くの町道から見上げると表面は雑草やコケが生え、割れ目が目立つ。「近くには民家もある。崩れたらどうするのか」。紀北町議会で残土の問題を取り上げた岡村哲雄町議(69)は不安そうだ。

県によると、残土の山は紀北町や隣の尾鷲市に少なくとも9カ所ある。大量の残土が持ち込まれ始めたのは12年ごろ。長島港(紀北町)と尾鷲港(尾鷲市)に船で入り、ダンプカーで周辺の山林に運ばれるという。県が確認しただけでも、18年度には25メートルプール280杯分を上回る計約28万トンが港に入った。

「千代田区大手町」「港区六本木」。搬入業者が県に提出した資料によると、残土のほとんどは首都圏や関西の都市部での建物の基礎工事などで掘り起こされたもので、五輪関係の工事もある。

「条例がないから、狙い撃ちされているんでしょうね」。岡村さんは語る。残土を規制する条例は1990年代以降、23府県で定められ、早くから残土が問題になった東京や大阪近郊の自治体は対応が先行した。だが、三重には条例がない。

東北地方の大半の自治体にも条例はないが、搬入業者によると、陸路で東北に運ぶより船で大量搬入した方が大幅にコストが低い。本州の真ん中に位置し東京からも大阪からもアクセスが良く、港の近くに山林が広がる三重が好都合だという。

県担当者は「搬入業者が土地を買い、残土を置くケースが多い」と指摘。過疎化や高齢化で、管理しきれない土地が増えたことも背景に挙げる。

有害物質を含まない残土は産業廃棄物には当たらない。条例の規制がなければ大量に放置すること自体に法的な問題はない。地元の搬入業者は「法令に基づいて運び入れており、土の安全性も確認済み。残土はどこかが受け入れなければならず、地元に理解を得られるようにしたい」と話す。
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