日用品で日本初、米新興と連携 漂着多い日本に照準

米プロクター・アンド・ギャンブル(P&G)は6日、日本の海岸で回収した海洋プラスチックごみを洗剤容器に再生すると発表した。海洋を漂うプラごみは環境などへの影響が問題になっているが、回収や再利用は進んでいない。プラスチック容器を扱う企業への消費者の視線は厳しさを増しており、対策が求められている。再利用が定着するには高い回収コストなどの課題の解決も必要になる。


P&Gジャパンのベセラ社長(右)は海洋プラスチック問題の解決に意欲を示した(6日、東京都内)

「アジアはプラごみの海洋流出が多く、日本もプラ製品に依存している。業界代表として再利用の取り組みを示していく責任がある」。日本法人のP&Gジャパンのスタニスラブ・ベセラ社長は同日、都内での記者会見で語った。

台所用洗剤「JOY(ジョイ)」で容器原料の25%に海洋プラごみを使った製品を今月9日から55万本出荷する。1〜2カ月分の販売量に相当する。店頭想定価格は158円で、既存品と同水準にした。日本で海洋プラごみを使った日用品は初めてという。

取り組みは再利用ノウハウを持つ米スタートアップのテラサイクルと連携している。P&Gは欧州で2017年から海洋プラごみを容器の一部に使用した台所用洗剤やシャンプーを発売し、北米でも今年から販売している。環境配慮の商品を好む「エシカル(倫理的)消費」が定着する欧米の消費者に対応する狙いだ。

次の展開地域として日本を選んだのはアジアからの漂着ごみが多いうえ、高い再生技術を持つリサイクル企業が多いことが理由だ。回収から加工まで国内で完結でき欧州より多くの量を再生できる。今回は長崎県対馬市の海岸に漂着したごみをボランティアが回収。テラサイクルの提携業者が分別し6トンのペットボトルを選別し粉砕・洗浄して容器に再利用した。

世界では年間約800万トンのプラごみが海に流れこむ。日本の海岸への漂着物は市区町村単位の最大推計でプラスチック以外も含み年40万トン超とされ、世界の中でも海洋プラごみの漂着は多いと見られている。



それでも日本で海洋プラごみの再利用の取り組みが少なかったのは、コスト面で課題があるためだ。P&Gジャパンの台所用洗剤も陸上で正規ルートで回収した再生プラよりも原材料費は割高だ。海洋プラごみは回収量が安定しないうえ、再利用できる品質にするための分別費用が通常のプラスチックの再生に加えて必要になる。

国内の日用品メーカーは使用量の削減や通常の再生プラの活用などで海洋プラごみの削減を目指している。花王もプラ使用量を減らした新容器を30年までに年3億個普及させる目標を掲げる。ライオンも旭化成などとプラ容器再生の新技術開発に乗り出した。

海外のメーカーも同様の取り組みは進めているが、加えて海洋プラごみの再利用を始めているのは国際社会の関心の高まりも大きい。6月に大阪で開いた20カ国・地域(G20)首脳会議では廃プラによる新たな海洋汚染を50年までにゼロにする目標が掲げられた。日本もコストの課題が解決され消費者の需要を確認できれば、P&Gのような取り組みが相次ぎそうだ。

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