政府・与党は株や投資信託の運用益を非課税にする少額投資非課税制度(NISA)を2024年に刷新する。中長期の運用に適した低リスクの商品に優先して投資される仕組みにして、個人に資産形成を促す。20年度税制改正の議論では大企業がスタートアップ企業に投資する際の減税措置も固まった。個人と企業の資金を動かし、日本経済の活性化につなげる。



現在のNISAは年120万円を投資限度額として、配当や分配金、譲渡益などの運用益にかかる約20%の税が5年間、非課税になる制度だ。23年末に投資期限を迎える。

政府・与党は投資期限を28年まで5年延長した上で、新たな制度に移行させる。与党の税制調査会での議論を踏まえて、12月中旬に決める20年度の税制改正大綱に盛り込む。

新たなNISAはリスクの低い投資信託などに対象を限定した積立枠(1階)と、従来通り上場株式などにも投資できる枠(2階)の仕組みに改める。原則としてリスクの低い商品に投資した人だけが、2階部分にも投資できるようにする。安定資産による長期的な運用を重視する。運用益の非課税期間はどちらも5年とする。

年間の投資限度額は1階が20万円、2階が102万円、総額122万円とする方向で調整している。全体で5年にわたり最大610万円を非課税で運用できる。

投資対象の商品は、金融庁と証券業界が調整を進めている。新制度の1階は現行の「つみたてNISA」とほぼ同じになる。2階については、リスクが高すぎて資産形成に向いていないものを除外する方向で調整している。

NISAは個人の資産運用を貯蓄から投資に振り向けることを目的に設けられた。現在、1100万超の口座がある。だが株式などの短期売買に使われることも多いとの指摘から、税優遇への批判がある。

低リスクの投資信託などに投資対象を限定し、年間40万円を上限に運用益が20年間非課税のつみたてNISAも見直す。37年までの投資期限を42年まで5年延長する。23年までに始めれば、20年間は積み立てられるようになる。

24年以降の利用者は新NISAか、つみたてNISAのいずれかを選ぶ。一方、未成年を対象にした「ジュニアNISA」は23年までの投資期限を延長せずに終了する。口座数は30万台で頭打ちになっている。

政府・与党は17年度の税制改正大綱のなかで、複数制度があるNISAは、将来的に「少額からの積立・分散投資に適した制度への一本化を検討する」としていた。新制度もこの方針を踏まえ、現行制度より積み立てを重視したものになる。政府・与党は今後も、資産形成に最適な制度を模索する。

積み立て投資 正しく理解しよう 複利効果が魅力 リスクも忘れずに

投資にリスクはつきものだ。長期投資に有効な積み立て投資にもリスクはある。実際のリターンはリスクによってブレが大きくなり、商品によってコストも異なる。老後資産問題に関心が集まる中、積み立て投資で注意すべきリスクやコストを正しく理解しよう。

■運用効率、「シャープレシオ」で比較

「あなたの家計は、長生きできる?」――。11月17日、こんなテーマのイベントに1700人が詰めかけた。マネーフォワード(3994)が都内のホテルで開いた「お金のEXPO2019」だ。多くの人が資産寿命を延ばそうとセミナー会場や金融機関などのブースに足を運んだ。

マネーフォワードの「お金のEXPO2019」には1700人が来場し、積立投資のセミナーなどに参加した(2019年11月17日、東京都港区)
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マネーフォワードの「お金のEXPO2019」には1700人が来場し、積立投資のセミナーなどに参加した(2019年11月17日、東京都港区)

「自分の感情を排除しながら資産形成ができる」。3年前に積み立て投資を始めた宇野健一さん(仮名、36)はそのメリットをこう話す。投資歴は10年に及ぶが、途中から積み立て投資を中心とした投資スタイルに変えた。毎月約5万円を三菱UFJ国際投信の「eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)」やバンガード・インベストメンツ・ジャパンの「バンガード・S&P500 ETF」に投じる。

積み立て投資は老後の資産形成にとって大きな武器になる。毎月決まった金額を投資して運用するため、老後までの期間のメリットを生かせば複利効果でリターンも大きくなる。例えば日経平均株価の過去5年間の利回りは年6.9%だが、20年間、毎月1万円ずつ積み立てたとすると最終的には514万6474円になる計算だ。宇野さんの投資利回りは現在、年約10%。この利回りが続けば、毎月5万円の積み立てで20年後に約3800万円まで資産が増える。

ただ実際にはこうした高いリターンは得られない可能性もある。利回りが高ければその分リスクも大きくなりがちだ。リターンのブレの範囲を示すのが「標準偏差」だ。標準偏差が10%の場合、利回りには±10%のブレが生じる。その確率は約68%だ。利回りが5%なら実際はマイナス5〜プラス15%の範囲の利回りになる可能性が高い。

そこで注目したいのが投資の効率性を示す「シャープレシオ」だ。数値が高いほどこれまでに小さいリスクで大きなリターンを得たことがわかる。

10月末時点で過去3年間の運用成績を見た場合、最もシャープレシオが高い国内株型のファンドは、東京海上アセットマネジメントの「東京海上・ジャパン・オーナーズ株式オープン」だった。オーナー企業に投資する好成績ファンドとして知られる同ファンドのシャープレシオは、1.88と群を抜く。
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▼シャープレシオ リスクに対してどれだけ効率的にリターンを稼いでいるかを示す指標。ファンドごとの運用効率を簡単に比較でき、数値が高いほど運用効率が高い。ファンドの一定期間のリターンから国債などの無リスク資産の利回りを引いた値を利回りの変動度合いを示す「標準偏差」で割り出して求める。
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高配当銘柄に投資する投信も運用対象となりそうだ。格付投資情報センターの岡忠志投信事業部長が注目するのは、三井住友DSアセットマネジメントの「三井住友・配当フォーカスオープン」だ。NTTドコモ(9437)やKDDI(9433)など高配当銘柄に投資するため「安定した銘柄が多く配当もあるため、マーケットが急落してもマイナスになりにくい」(岡氏)という。標準偏差は12.06%と低く、シャープレシオも0.92と上位につける。

日興アセットマネジメントの「日興キャッシュリッチ・ファンド」も同様にリスクが小さくシャープレシオが高いのが特徴だ。投資対象は任天堂(7974)やリクルートホールディングス(6098)などで、現金など流動性の高い資産を多く保有する割安銘柄に投資する。余剰資金を多く抱えていれば今後の株主還元や成長力強化への投資にも充てやすい。標準偏差は13.22%、シャープレシオも0.91だ。

リスクを負いたくない場合は、国内外の株式や国債などに分散投資するバランス型のファンドを選ぶ手もある。注意が必要なのは、投資対象の比率を固定するバランス比率固定型と、ファンドマネジャーがポートフォリオを機動的に見直すバランス比率変動型の2種類に分けられる点だ。固定型の場合、例えば債券の金利が低くなっても一定の比率まで購入し続けるため、リターンが低下することもある。

こうした運用担当者が自らの目利きで銘柄を選ぶ「アクティブ型ファンド」では、シャープレシオによる差が顕著に表れる。一方で、指数に連動する「インデックス型ファンド」では、同じ指数に連動するため、リターンとリスクは同程度になる。高い投資効率を求めるなら、アクティブ型ファンドのほうが有効だ。実際、過去3年間の実績をみると、アクティブ型ファンドでシャープレシオが1.00を超えるケースが多い。


積み立て投資は期間のメリットを最大限にいかせるのが強みでもある。若年層のうちはリスク資産の比率を高めて、年齢とともに比率を下げるといった期間の分散も必要になる。2020年度の税制改正では積み立て型の少額投資非課税制度(つみたてNISA)の延長・拡充が議論されるなど、積み立て投資への注目度が高まっている。リスクを正しく理解した上で投資することが何よりも重要だ。

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