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アフリカの草原地帯サバンナ、今も森林は世界の15億人にとって生活の糧であり、大小の生態系を維持している。
それ以外の62億人にとっては脆弱であるとはいえ、気候変動から自分たちを守ってくれるバッファロー的な存在だ。

だが干ばつや森林伐採、人間が起こした様々な変化が伐採によるダメージに追い打ちをかけている。
世界の森林バイオマス(※1)の半分を占める熱帯地域で、樹木被覆地(ひふくち※2)の減少するスピードが2015年以降60%加速している。
熱帯雨林のこの減少分を1つの国に例えると、二酸化炭素排出量は中国、アメリカに次ぐ世界3位となる。

※1.再生可能な、生物由来の有機性資源で化石資源を除いた生物資源で貴重な再生エネルギーのもとになる。
※2.樹木が覆い茂る地帯

最も高いリスクにさらされているのがアマゾンの熱帯雨林だ。単に地球上の熱帯雨林の40%を占め、陸上生物の10〜15%が生息しているという理由だけではない。

南米のこの素晴らしい貴重な自然は危険なほど限界点に近づいているかもしれない。
その限界点を超えてしまえば、たとえ森林伐採をやめたとしても熱帯雨林が温帯のステップ草原に似たものに変容するのを止めることも、元の状態に戻すことも不可能になる。

アマゾンの森林の80%はブラジル国内に広がる。アマゾンは水資源の多くが循環している点で他の森林と異なる。熱帯雨林が縮小すれば再生、循環する水も減る。そのためどこかの段階で、つまり今後何十年かで、その水を再生する力が弱まれば、森林は一層縮小していくという悪循環に陥ることになる。

気候変動で森林の気温は上昇しており、臨界点は年々近づいている。
しかし1月に就任したボルソナロ大統領はブラジルを開発するために違法伐採を推進している。「先進国も近代化のために森林伐採をやっているではないか」と非難する。
ブラジルの大豆と牛肉の生産量は2004〜2012年に増加したが、この期間の森林伐採ペースは80%落ちた。アマゾン自体を除くと、実のところブラジル農業が森林伐採の最大の犠牲者かも知れない。2015年の干ばつで中部にあるマトグロッソ州のトウモロコシ農家は収穫の3分の1を失った。

政府の努力で7年間は森林破壊のペースは落ちたが、政策遂行力の低下や過去の違法伐採意を不問に付したため2013年から再び森林破壊は加速した。不況と政治危機で政府の森林破壊抑制策を実行する能力はさらに弱まった。そして、ボルソナロ氏は今、喜々として伐採を禁じる規制の緩和に着手している。

だが、アマゾンの問題はブラジルだけの問題ではない。アマゾンの森林破壊は周辺7カ国にも直接被害を及ぼす。
熱帯雨林から放出され、アンデス山脈沿いにはるか南のブエノスアイレスまで流れる湿気を減らすだろう。上空の水蒸気の流れだけでなく、ブラジルがダムを造って川をせき止めれば、下流にある国々はそれを戦争行為とみなすかもしれない。

アマゾンの熱帯雨林は大量の炭素を蓄積しているため燃えたり腐敗したりすれば、世界の平均気温は2100年までに0.1度上昇する可能性がある。大したことはないと思うかもしれないが、温暖化対策の国際的枠組み「パリ協定」では将来の気温上昇を0.5度程度程度に抑えるのが望ましいとされている。


6月にブラジルを最大のメンバーとする南米4カ国が加盟する関税同盟、南部共同市場(メルコスル)がEU(欧州連合)と政治合意した自由貿易協定(FTA)には熱帯雨林の保護に関する条項が含まれている。
この条項の履行は双方にとり極めて大きな利益となる。


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  • 1970.01.01 Thursday
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