温暖化ガスや海洋プラスチックごみ(廃プラ)対策が国際的問題となる中、全国各地の祭りやイベントの屋台で繰り返し使える「リユース食器」の導入が広がりつつある。先行して取り組んでいる京都の祇園祭では、ごみが4割減るなど成果も上がっている。ごみ削減に取り組むNPO法人の関係者は「祭りなどを通じてごみ削減を考えるきっかけにしてほしい」と話す。

「ビールいかがですかー」「出来たてだよ」。7月に京都市で開かれた祇園祭。繁華街の大通り沿いにある屋台の焼きそば店は、使い捨て容器の代わりに再利用可能なポリプロピレン製のリユース食器で商品を提供していた。使用した食器は会場に設けた所定のスペースで回収し、専門業者が洗浄処理した上で次のイベントで再利用する。

屋台で焼きそばを購入し初めてリユース食器を使ったという市内の高校1年の女子生徒(16)は「使い捨て容器より頑丈で食べやすい」と歓迎。同級生の女子生徒(15)も「他店もリユース食器で料理を提供してくれたらいいのに」と話した。

祇園祭でリユース食器の導入が始まったのは2014年。賛同店も徐々に増加し、今年は約20万食分が使われた。燃やすごみの量は、取り組み前の2012年が約60トンだったのに対し、来場者が12万人増えた2014年でも約34トンと4割減った。

屋台にリユース食器を提供するNPO法人「地域環境デザイン研究所エコトーン」(京都市)は、京都市や大阪府などからの助成金、企業からの協賛金などを活用し、各地のイベントなどでリユース食器の導入を進める。同法人は天神祭でも2017年からリユース食器を提供し、2019年は約2万食分にのぼった。天神祭などでごみ削減に長年携わるNPO法人ごみゼロネット大阪(大阪市)の小林千恵理事は「ごみ削減の先行事例に育てたい」と期待する。

エコトーンは来年以降もこれらの祭りでリユース食器の浸透を図る計画だ。洛星中学・高校など京都市内の学校10校程度でも、文化祭など屋台を出すイベントでリユース食器を利用する予定という。

7月末から8月3日まで築地本願寺(東京・中央)境内で開かれた納涼盆踊り大会でも、会場に出店した屋台14店中9店で、ポリプロピレン製のコップや皿など5種類のリユース食器約5万枚が使われた。

エコトーンの太田航平代表理事によると、国内でリユース食器を提供する団体や、祭りなどで導入する店舗はまだ少ないという。太田さんは「回収費用がかかるとして敬遠されるが、処理費用が発生しない分、全体の費用は使い捨て容器と大差ない」と指摘。「自治体や飲食店、小売店などがリユース食器の普及を促すための仕組み作りが必要だ」と訴える。

海洋プラスチックごみは6月の20カ国・地域首脳会議(G20大阪サミット)で主要テーマの一つになるなど、今や世界的なテーマだ。

国内で生じる年約900万トンのプラスチックごみのうち、約400万トンは食品容器やペットボトル、レジ袋といった使い捨てが占める。国は2030年までにこうした使い捨てプラスチックごみの量を25%削減し、プラスチック製容器包装の6割をリユースかリサイクルにする計画だ。

東京都も6月、都主催のイベントで使い捨てのプラスチック製品を極力使わないとする方針をまとめた。近く開催予定のイベントでは、使い捨てコップを再利用可能なコップに切り替えるという。

祭りやイベントの屋台は長年、紙やプラスチック製の容器を使い続けてきた。紙皿や紙コップなど可燃ごみの削減も、二酸化炭素(CO2)などの温暖化ガスを減らすために重要だ。

環境問題に詳しい山谷修作・元東洋大教授は「祭りは人が多くごみが大量に出る場所。リユース食器の導入でごみが目に見えて減れば、成果が分かりやすく環境問題に興味を持つきっかけにしやすい」と評価。「祭りだけでなく日常生活からごみを減らす意識を高めてほしい」と話している。

日経:中川竹美氏

  • 1970.01.01 Thursday
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  • 21:40
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