厚生労働省は6日、希望しても認可保育所に入れない待機児童の数が2019年4月1日時点で1万6772人だったと発表した。2020年度末の待機児童ゼロを目指すなかで、2年連続の減少となった。もっとも、10月に始まる幼児教育・保育の無償化の影響は読み切れず、待機児童に含まない「隠れ待機児童」も約7.4万人いる。保育士不足などの課題もあり、共働き世帯が安心して子どもを預けられる環境はまだ十分とはいえない。



「待機児童解消は安倍政権の最重要課題の一つとして取り組んできた。引き続き取り組みを推進する」。6日、根本匠厚生労働相は閣議後会見で強調した。

19年4月1日の待機児童数は18年同期に比べ3123人(16%)減。これまで最も少なかったのは2007年の1万7926人だった。厚労省はその後、待機児童の定義を見直したため単純比較はできないが、1994年の調査開始以降で最少となった。待機児童全体の6割を占める都市部で、企業主導型保育所を含む保進んだ。

待機児童を年齢別にみると、0〜2歳児の割合は0.7ポイント低下の87.9%となった。一方で3歳以上は0.7ポイント上昇の12.1%になった。

10月の幼保無償化は0〜2歳児がいる世帯では住民税が非課税の低所得世帯のみ保育料を無料にするのに対し、3歳以上の子どもでは原則として全世帯で保育料が無料になる。「無償化でどれだけ申込者数が増えるかはわからない」(厚労省)といい、3歳以上児の申し込みが増え、一部の地域で待機児童が増えた可能性は否定できない。

待機児童の定義に当てはまらない「隠れ待機児童」の数も増加した。18年の同時期に比べ6028人(9%)増の7万3927人となった。隠れ待機児童とは、認可保育所に入れずに不本意ながら保育料が高い認可外の保育所に通っている例などだ。

表面上は待機児童数にカウントされないこうした児童の受け皿を整えることも課題だ。ただ根本厚労相は「まずは待機児童解消に向けて取り組む」と、隠れ待機児童対策については明言を避けた。

厚労省は今回の調査結果を踏まえ、自治体の状況を3つに分類。2020年度末の待機児童ゼロ実現に向け、今秋にも各自治体の保育所の整備計画などについて個別に聞き取り、必要に応じて指導する方針だ。特に今回、自治体の見込みを上回って待機児童数が増加した123自治体には重点的にヒアリングを実施する。

例えば今回大幅に増えた福岡県福津市やさいたま市では、新興住宅地の開発が進み若い世代の流入が市の想定以上に加速している。東京都東村山市では2018年に待機児童数を大きく減らしたことが潜在的な保育需要を呼び起こし、申し込みが急増したという。こうした個別の状況を聞いた上で、今後の保育所増設の計画などを助言する。

働く女性の数は6月に初めて3000万人を超え、子育て世代の25〜44歳の就業率も2018年に76.5%と5年前から7ポイント上昇した。共働き世帯が増えるなか、安心して子どもを預けられる環境づくりは、労働力を確保する上でも欠かせない。

  • 1970.01.01 Thursday
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  • 11:06
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