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戦後最悪の火山災害となった御嶽山(長野・岐阜県)の噴火からまもなく5年がたつ。火山活動は落ち着いたが、観光業や地域経済への影響は今も残る。東日本大震災後、日本の火山はにわかに活発になり各地で噴火が相次いだ。火山は温泉などの恵みをもたらす一方、災害の危険と常に背中合わせだ。周辺の地域では火山と共生する手探りが続いている。



8月下旬の週末、御嶽山頂の剣ケ峰(3067メートル)は登山者でにぎわっていた。死者・不明者63人を出した2014年9月27日の噴火後、火口周辺は立ち入り規制が続くが、今年から夏期に山頂まで登れるようになった。近くには避難用のシェルターが新設され、火口1キロメートル圏にある山小屋も噴石に耐える特殊な繊維で覆って再建された。

ただ最近の登山者数は噴火前に比べ8割程度にとどまる。山麓の観光案内所の職員は「犠牲者の遺族の気持ちを思うと、遊びに来てと積極的にPRするのは気が引ける」と複雑な胸中を明かす。

御嶽山は活発な時期と静かな時期を繰り返し「常に謎を突きつける火山」(名古屋大学御嶽山火山研究施設の国友孝洋特任准教授)だ。有史以降、噴火記録がなく死火山と思われていたが、1979年に突然噴火した。活火山の定義が「おおむね過去1万年以内に噴火」などと見直されるきっかけになった。

14年の噴火災害はふたつの重い教訓を残した。

ひとつが異変を観測したとき情報をどう伝えるかだ。この噴火では17日前から火山性地震が増え、気象庁は解説情報を公表した。しかし噴火の恐れを示す警戒レベルを「1(平常)」に据え置いたため、多くの登山者が異変を知らずに入山し悲劇を招いた。

これを教訓に気象庁はレベル1の説明を「活火山であることに留意」と改め、臨時情報や噴火速報を迅速に公表する体制に変えた。自治体も登山口の看板などで登山者への注意を徹底している。

ふたつめの教訓が、将来も続く噴火リスクとどう向き合うかだ。地元の長野県や木曽町、岐阜県などは北海道・有珠山の噴火を乗り越えた洞爺湖町や壮瞥町を参考に、火山との共生策を探っている。

長野県は、住民が火山について学び情報発信も担う「御嶽山火山マイスター制度」を始めた。これまでに山岳ガイドや教師ら11人を認定した。「よく学び、畏れ、再発見する」を合言葉に、研究者を招いた勉強会や一般向けの自然観察会を開き、県外からも参加者を集めている。

地元の小中学生の学習機会も増やし、約60人を「ジュニア火山マイスター」に認定した。木曽町立三岳小学校教頭でマイスターでもある川上明宏さんは「火山を畏れ、故郷を愛する心を世代を超え育みたい」と話す。

2015年6月、箱根山(神奈川県)で起きたごく小規模な噴火も観光業に打撃を与え、年2千万人を数えた観光客は一時、2割近く減少した。箱根山は3千年前の活動で芦ノ湖が誕生して以降、静かな時期が続いていた。活動はいったん収まったが、今年5月にまた活発になり、警戒レベルも再び引き上げられた。

神奈川県や箱根町は「噴石などで被害が及ぶのは火口のある大涌谷周辺に限られる」と風評を防ぐ広報に懸命だ。町立の博物館、箱根ジオミュージアムも「箱根火山のいま」と題した展示を計7カ所で開催中だ。同ミュージアムの笠間友博さんは「火山活動は前より高い水準で続きそうだが、火山と友達になるという意識をもってほしい」と住民らに呼び掛けている。

2011年の東日本大震災以降、国内の火山は噴火が相次いだ。震災直前に新燃岳(鹿児島・宮崎)、2013年に小笠原諸島・西之島(東京)、2015年に口永良部島(鹿児島)が噴火した。藤井敏嗣東京大学名誉教授は「間違いなく地震、火山両方の活動が高まった。日本のどこかで常に噴火していると考えた方がよい」と話す。

注意が必要な火山はほかにも多い。2018年の噴火で死者が出た草津白根山(群馬)、今年8月に噴火した浅間山(長野・群馬)では火口周辺への立ち入り規制が続いている。蔵王山(山形・宮城)や吾妻山(山形・福島)でも一時、火山性の微動や地震が増え警戒レベルが引き上げられた。

山梨県富士山科学研究所の吉本充宏主幹研究員は「火山は溶岩流や火砕流、噴石、火山灰のほか、泥流や山体崩壊など多様な災害を起こす。どんな被害が起こりうるか知り、正しく畏れることが必要」と話す。「特に登山者は気象庁のホームページなどで最新情報を調べて入山してほしい」と訴えている。

(編集委員 久保田啓介 氏)

  • 1970.01.01 Thursday
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  • 08:26
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