総務省は、次世代通信規格「5G」の基盤となる光ファイバー回線を全国的に維持する負担金制度をつくる。どこでも高速インターネットの環境を整備するためで、2024年にも携帯電話を含むネット利用者から広く薄く徴収し始める。不採算地域で光回線を持つ事業者に資金を交付し、回線の補修や更新に充てる。米英などはすでに高速ネットを不可欠なサービスに位置づけており、日本も制度化する。


春に有識者会議を立ち上げ、21年夏までに制度案を固める。22年の通常国会に電気通信事業法改正案の提出をめざす。光回線に接続する携帯会社などが負担し、利用者の月額料金に上乗せされる。1契約あたり月数円の負担になりそうだ。



現在、光回線が整備されていない地域には約70万世帯が住んでいる。政府は補助金などを使って整備を促しており、23年度末までに18万世帯に減らせる見通しだ。光回線の設置から維持の段階に移るのにあわせて交付金の制度をつくる。


光回線は5G普及に必要になる。5Gは遠くまで飛ばない電波を使うため、現行の4Gよりも数多くの携帯基地局が必要になる。5Gでの自動運転やスマート農業は人口の少ない地域での活用が期待されている。このためには地方にも基地局をつなぐ光回線も細かく張り巡らす必要がある。


政府は19年12月にまとめた20年度税制改正大綱に5G基地局の整備を前倒しした携帯大手への法人税減税を盛り込んだ。減税や予算で早期整備を促し、交付金で将来にわたり光回線を維持できるようにする。


人口の少ない山間部や離島などの不採算地域のうち、光回線を整備する事業者が1つしかないエリアを交付金の対象とする案が浮上している。光回線維持で赤字が発生した場合は全額を補填する方向。特定の地域で営業しているケーブルテレビ会社や自治体、第三セクターが主な対象になりそうだ。


交付金を受け取った事業者は光回線の維持をしなければならない仕組みにする。事業者は光回線の敷設の義務は負わないため、光回線の整備を担保するものにはならない。


全国で必要な交付金は年数十億円とみられる。NTTドコモなどの携帯大手や通信事業者、ケーブルテレビ会社といったネットサービスを手がける事業者から契約者数や収益規模に応じて徴収する方向で検討する。


米国は固定電話サービスの維持のために年5千億円規模の基金を集める。この資金を受け取る電話会社に高速ネットサービスの提供も義務づけ、全米で高速ネットが使える環境をめざす。英国は高速ネットを18年の制度改定でユニバーサルサービスに追加した。カナダも高速ネットの安定的な提供に向けて基金を設け、30年までに普及率を100%とする目標を掲げる。


日本は銅線などで音声を伝える固定電話を「国民生活に不可欠な通信サービス」(ユニバーサルサービス)と位置づけ、NTT東日本・西日本のサービスを維持するための交付金制度を02年に設けた。現在は携帯や固定電話の利用者から月2円を電話代に上乗せして徴収する。光回線維持もこれに似た位置づけとする。


携帯利用者などには新たな負担が加わる。一方、以前から議論のある携帯電話をユニバーサルサービスの対象とすることは当面見送る。米英が固定電話サービスを携帯で代替することを認めているが、携帯自体の提供を義務づけている国はないとみられる。

  • 1970.01.01 Thursday
  • -
  • 21:03
  • -
  • -
  • by スポンサードリンク

Comment





   

PR

Calendar

S M T W T F S
   1234
567891011
12131415161718
19202122232425
262728293031 
<< July 2020 >>

kokoro_sukui

kokoro_sukui2

Archive

Recommend

 (JUGEMレビュー »)


Mobile

qrcode

Selected Entry

Link

Profile

Search

Other

Powered

無料ブログ作成サービス JUGEM