今、ちゃんと新聞読んでいる方はいらっしゃいますか?

特に経済や社会や国際動向

はっきり言って、
YOU‐TUBE見ている人嫌いです。
Yahooニュースで情報仕入れている人、意味が分かりません。
何故なら、何のために情報を手に入れようとしているかというと
娯楽だからです。
最近テレビを全く見なくなりました。
面白い番組やタメになる番組があるのは周りからよく聞きますし、
見ることはあります。
でも、基本的にテレビは見ません。

今、時代がどう進んでいるかはすべてマスメディアが情報操作しています。
勿論、新聞や雑誌を売るために必死でネタを書いています。
それは日本特有の権力が情報を操作してしまうんです。
本当に残念です。

そんな中で、日本経済新聞グループのネタは細かく書かれてあって、
自分に常識があれば、情報操作されずに正しいと思われる情報を手に入れることができる。
そんな私もマスメディアに汚染されているのかも知れませんが、

一つだけ正しいことが言えるとしたら、世界には必ず「現実」が存在するのです。
それを我々は知る権利があるし、問題提起する権利があるのです。

その場がマスメディアであってほしいのです。

ご存知ですよね。温暖化や異常気候。正しいこと知りたくありませんか?
そんなことのできるチームを作りたいと思っています。

日本の経済は利益のために活動しています。

それではダメなんです。
それを腰を据えてやっていきたいと思っています。

海洋を漂うプラスチックごみは環境を汚染し、エサと間違えて食べたウミガメや海鳥などの命を奪っている。2019年に開かれた20カ国・地域首脳会議(G20大阪サミット)では50年までに流出をゼロにする目標が立てられた。プラスチックの利用をすぐにやめるのは難しい。目標達成に向け、分解や回収など新たな対策技術の開発が活発になってきた。



ペットボトルは海洋プラごみの典型例といわれる。丈夫で飲料容器などに多用されるが、ポイ捨てされるとそのままの形でいつまでも残る。その原料のポリエチレンテレフタレート(PET)という樹脂を分解する初の微生物が日本で見つかり、プラごみ問題に挑む世界の研究者の注目を集めている。


この微生物「イデオネラ・サカイエンシス」は、京都工芸繊維大学の小田耕平名誉教授が05年に分離に成功し、16年に命名した。見つけた場所は大阪府堺市にあるリサイクル用ペットボトルの集積地だ。「分解してほしいものがたくさんある環境にこそ、目的の微生物はいる」という小田名誉教授の読みが当たった。採取した地名を微生物の名前に取り入れた。


サカイエンシスは小さく切り刻んだ厚さ0.2ミリメートルのPET片なら、6週間で二酸化炭素(CO2)と水に分解する。余分なエネルギーや高価な装置を必要とせず、PETボトル処分の新手法になる可能性がある。「分解反応を途中で止めて、生成物を回収できればペットボトルの原料として再利用できるかもしれない」(小田名誉教授)。慶応義塾大学などと協力して16年に論文を発表後、同じような微生物がいないか世界で探索が始まった。


プラごみが海洋で漂う理由は分解しないからだ。生分解性プラスチックがすでに実用化されているが、土壌中の微生物の力を利用している。海洋は微生物が少なく温度も低く、一般の生分解性プラスチックもごみになってしまう。三重大学の野中寛教授はこの課題を解決しようと、海洋で分解するプラスチックの開発を目指している。


木粉やコーヒーかすを主原料にし、自然由来ののりを加えた新材料を東京農工大学などと共同で開発した。すでにストローや食品トレー、カップなど様々な形に成型できることを確かめている。海洋で分解するプラスチックも一部で応用されているが、微生物による合成を利用するなどコストが高くなりがちだ。海で実際に溶けるまでに長時間かかるという課題もある。新材料は安価に作れ、海洋での分解も早い可能性がある。


実用化するには耐久性を高める必要がある。現時点では水に弱く20分ほど浸すと軟らかくなってしまう。野中教授は「素材や構造を工夫したりはっ水剤を使ったりして耐水性を高められる。水を含んでも1時間はもつ性能にしたい」と意気込む。


海洋への流出を防ごうという取り組みもある。東京理科大学の二瓶泰雄教授と片岡智哉助教らは、川を流れるプラスチックなどの人工ごみを自動で検出するシステムを開発した。川の表面を動画で撮影し、画像の色の差を利用して瞬時に自然のごみと人工のごみを見分ける。現在、三重県の天白川で試験中だ。


海洋プラごみの7〜8割は川を経由している。この7〜8割は洪水時に流出するともいわれる。15年に発表された調査によると、日本では推定で年間2万〜6万トンのプラスチックが海に流出しているもようだ。いったん流出したプラごみを回収するのは容易ではない。対策は急務だ。

二瓶教授らは画像の面積から流れるごみの量を計測する手法も開発中だ。流れるごみの量が分かれば、流出源を特定して対策も打てる。二瓶教授は「自治体の啓発活動に役立ててもらいたい」と話す。ただし、プラスチックごみを見つけても現時点で自動的に回収する技術が無い。「簡単にごみを回収する方法も目指したい」(二瓶教授) 日常生活の利便性を高めるうえでプラスチックの役割は大きい。使った後の軽率な行動が結局、私たちを取り巻く環境の悪化を招いている。新技術の開発とともに、ごみにしない行動にも目を向ける必要がある。 (福井健人)



スウェーデンの環境活動家グレタ・トゥンベリさんや石炭火力発電を手放せない日本の窮地が大きく報じられた昨年12月の第25回国連気候変動枠組み条約締約国会議(COP25)。開催地マドリードに赴き、温暖化対策の協議を見つめた日本側の出席者は「議論のトーンを決めていたのは中国とインドだった」と振り返る。



作られたルールを外から押しつけられることを嫌い、とにかく活発に主張するインドに対し、黙って聞いている中国は要所とみれば断固とした調子で途上国や新興国の立場を押し出す。人口で当面は世界の先頭を走る二大国に、視線が集まるのは自然だろう。


会議の真ん中に居た小泉進次郎環境相の見立ては少し違い「派閥によく似ていた」と語る。中印、欧州、アジア、南米、水没の危機に直面する島しょ国など「派閥」をなす勢力はさまざまだが「領袖が決めて終わりではない。『聞いていない』という国がすぐ出てくる」。小泉氏は最終盤、議長国チリのシュミット環境相から「あとはあなたに任せた」と告げられ、国連や関係国の代表と膝詰めの協議を重ねた。COPを舞台にした派閥抗争は議長が役割を放棄し、無残に散会する寸前だった。


2020年は米国が主役となる。11月の大統領選で現職のトランプ氏が負ければ、環境重視に傾く民主党の新しい政権は温暖化対策を各国が競う「パリ協定」の枠組みの復帰へと踏み出すだろう。トランプ氏が続投すれば国際社会の分断は一段と深まり、ただでさえ協調が危ういCOPそのものの無用論すら広がりかねない。


中国はCOPの漂流を見透かすような動きを見せ始めた。日本エネルギー経済研究所の田上貴彦氏は植樹の拡大に注目する。

昨年2月、電子版の科学誌「ネイチャー・サステナビリティー」に、地球の緑地の拡大に中国とインドが寄与しているという内容の記事が掲載された。根拠は00年から17年に米航空宇宙局(NASA)が集めた衛星データだ。米国の学者らの研究グループが拡大した緑地を分析すると、インドは耕地が全体の8割超を占めていたのに対し、中国は4割が森林、耕地は3割でバランスがとれていたという。「緑の万里の長城」といったスローガンで緑化を計画的に進めてきた姿がうかがえる。


田上氏はこうした動きを通じて中国が「緑の貢献」を世界に訴える展開を予想する。折しも中国の国内で温暖化ガスの排出量取引が限定的な規模で近く始まる見通しだ。将来は二酸化炭素(CO2)を吸収する森林を、国際的な排出量取引の原資としてアピールしてくるかもしれない。


日本の戦略はどうか。研究者、経営者、市民の橋渡し役をめざす環境経営学会の後藤敏彦会長は企業、地方自治体、若者の3者に期待を寄せる。


企業の目の色は変わってきた。主要国の金融当局が設置した「気候関連財務情報開示タスクフォース」(TCFD)が17年、温暖化が業績や財務内容にどう響くかを明らかにするよう迫った。これを転機だとみる後藤氏によれば、以前は環境対策を強めようとしても「実力派でたたき上げの製造本部長や財務本部長が出てきて議論が止まることが多かった」。環境への意識の高まりから、ちゃぶ台を返す「岩盤取締役」の影は薄くなり、「経営企画や企業の社会的責任(CSR)部門の意見が通りやすくなってきた」と言う。


「脱炭素経営」に向かう流れは強まる。環境省の集計によると、TCFDの原則に賛同する企業の数で日本は首位となり、事業で使う電力を100%再生可能エネルギーに変える取り組み「RE100」の参加数でも3位につける。対応の充実は引き続き求められるものの、いったんフォーマットが固まれば、きちんと合わせる日本企業の生真面目さが浮かぶ。


環境経営学会は昨年8月、自治体や非政府組織(NGO)などに「気候非常事態宣言」で連携を促す声明を出した。温暖化よりも強い言葉で危機的な状況を認め、行動に落とし込む試みだ。欧米やカナダ、オーストラリアなどで宣言する都市や地域が急増してきた。日本でも昨年9月に出した長崎県壱岐市に続き、神奈川県鎌倉市や長野県などが宣言した。小泉環境相は地方や若者からの突き上げをむしろ心待ちにしている。


地道な歩みが目立つ半面、国家が絡むルール作りはこれからが正念場となる。COPが主舞台で、環境に優しい「グリーン投資」の定義づけに動く欧州連合(EU)の作業からも目が離せない。化石燃料や原子力を使う発電の扱いによっては企業や金融機関の戦略の練り直しが迫られる。


環境問題の解決に資するお金をまかなうための債券、グリーンボンドの条件について有力な発行体や投資家らでつくる国際資本市場協会(ICMA、本部はスイス)が検討している。議論に触れた日本の関係者は「金融のプロが集まり、自由に意見をぶつけ合っている。積極的に発信しなければ取り残される」と懸念する。債券の原則を詰める次の年次会合は5月、ニューヨークで開かれる。


グリーンの度合いを決める情報戦は、国際社会の力関係を反映し時に覇権争いの色を帯びる。まずは政官民の意思疎通を良くしてアンテナを高く張り、ルール作りの主戦場に呼ばれるだけの存在感を放つこと。そこに飛び込む勇気も日本には要る。



藤井一明(ふじい・かずあき)


1990年日本経済新聞社入社。経済部、速報部、長野支局、政治部、米州総局で経済政策、金融などを担当。経済解説部長を経て、現在は編集局次長兼経済部長。


部下の仕事量が減ったしわ寄せで管理職の残業が高止まりしている

大企業の残業に罰則付き上限が導入された2019年4月以降も月80時間超の残業をしている人が推計で約300万人に上ることが総務省の調査で分かった。労務管理の徹底でサービス残業があぶり出され、部下の仕事量が減ったしわ寄せで管理職の残業が高止まりしている。今後は画一的に残業を減らすのではなく、生産性の向上で収益を高め、働き手にも還元していく改革が重要になりそうだ。


働き方改革関連法によって大企業は昨年4月から従業員の時間外労働を年720時間以内にすることが義務づけられた。月100時間を超えてはならず、2〜6カ月平均で月80時間以内にしなければならない。建設業など一部業種を除き、違反があれば30万円以下の罰金か6カ月以下の懲役を科せられる。同様の規制は今年4月から中小企業にも適用される。


だが統計上は多くの企業がこのルールに「違反」した状態にある。


労働基準法が定めた法定労働時間は1日8時間、週40時間。1カ月単位で計算すると、80時間の残業を含めて、およそ240時間程度が働くことができる上限になる。ところが総務省の労働力調査によると、19年4〜11月に月241時間以上働いた雇用者(役員を除く)は月平均で約295万人もいた。



18年度平均の319万人よりは減ったものの、それでも雇用者全体の5%を占める。このうち4割は従業員100人以上の大企業で働く人だ。「過労死ライン」と呼ばれる月100時間超の残業をした人も月平均で170万人に達していた。


働き方改革の動きが広がる中で統計上の残業が減らない理由の一つは、これまで隠れていた残業が表に出てきたためだ。


ある大手居酒屋チェーン幹部は「労働時間を正確に把握しようとしたら、正社員の残業時間が跳ね上がった」とため息をつく。店舗で働く社員はアルバイトの欠勤を埋めるため急にシフトに入ることも多い。こんな正社員の「サービス残業」があぶり出されている。


もう一つは部下の残業時間を抑えたしわ寄せも受ける形で、管理職の労働時間が高止まりしているためだ。リクルートスタッフィングが昨年9月にまとめた調査では、従業員300人以上の企業の管理職412人の12.8%が残業が「増えた」と答えた。働き方改革に詳しいパーソル総合研究所の小林祐児主任研究員は「労働時間に上限を設けると、部下に残業を頼めない中間管理職に業務が集中する」と話す。


残業減で手取り収入が減ることを避けようと、労働時間管理の緩い企業に転職する動きもありそうだ。ヤマト運輸は17年からドライバーの労働時間の削減に取り組み、18年度の1人あたり残業時間は16年度比で3割減った。一方、西日本で働く50代のドライバーは「手取りが減ったことが原因で他社に移った人がいる」と打ち明ける。



残業規制が本格適用される今後は、生産性の向上を伴う改革を実現することが課題になる。


コンサルティングの大手、アクセンチュアは15年から午後6時以降の会議を原則禁止し、同時に人工知能(AI)や定型作業を自動化するロボティック・プロセス・オートメーション(RPA)などを活用し業務を効率化した。15年ごろは深夜までの激務が当たり前だったが、今は1日の残業が平均1時間に減った。


生産性の向上を伴わずに残業時間だけを減らすと、働き手の手取り収入が減り、それが消費を下押しする構図に日本経済がはまりかねない。労働時間を厳しく管理するだけでなく、収益を高める生産性向上と一体的に進め、その果実を働き手にも還元する好循環をつくることが課題になる。



(奥田宏二氏、井上孝之氏)


半導体業界の復調が鮮明になってきた。次世代通信網「5G」が想定を上回る速度で普及し、高速大容量通信を支える幅広い半導体の需要を底上げするためだ。高性能品を供給する韓国サムスン電子や台湾積体電路製造(TSMC)、米クアルコムなど世界大手の株価は軒並み最高値圏で推移。増産に伴う設備投資も復調傾向で装置や素材など半導体産業全体に強い追い風が吹いている。


「2020年も売上高の記録更新を期待している」。米インテルのボブ・スワン最高経営責任者(CEO)は23日の決算電話会見で強調した。同日発表の19年12月期の売上高は4期連続で過去最高を更新し、20年はさらなる拡大を見込む。


同社の業績のけん引役となるのが各地で導入が進む5Gだ。20年は基地局向けの半導体の出荷が伸び、動画の視聴・投稿などでデータ通信量が増えるため主力のデータセンター向け製品群も増える見通し。スワン氏は「僕らは5G時代に進みつつある」と訴えた。


低迷が続いたスマートフォン市場も活性化する。米国、韓国など一部地域でサービスが始まった19年は5G端末の出荷は2000万台程度だった。20年には日本をはじめ各地で商用サービスが始まり、5G端末の出荷量も2億台超と強気の見通しが相次いでいる。


通信用半導体で圧倒的なシェアを握るクアルコムは2億台程度との予測を公表し、「上方修正の余地は大いにある」(クリスチャーノ・アモン社長)とする。同業の台湾メディアテックの蔡力行CEOは「2億〜2億4000万台が見込める」と発言した。


外部の調査でも強気な見通しが相次ぐ。みずほ証券は12月20日発行のリポートで2億8000万台と従来比で4割も上方修正した。米調査会社IDCも昨年11月、20年の出荷台数が1億9000万台に達すると見通しを発表した。従来予測から5割強の上積みだ。


4Gと比べて通信速度が100倍となる5Gを支える半導体は高性能品が欠かせない。中国ブランドの5G端末のCPU(中央演算処理装置)やメモリー、センサーの性能をみると、米アップルのiPhoneの高級機種と遜色ない半導体を搭載する。アップルも20年に5G対応のiPhoneを発売予定で、5G浸透によってスマホの高性能化が一気に進む。


半導体の市場規模4680億ドル(約51兆円)のうちスマホを中心とした通信分野の用途は36%を占める。さらに10%超とされるデータセンターも5G対応で増強が求められる。このため5G普及に伴う半導体需要の押し上げ効果は、データセンター向けの半導体メモリーが中心だった17年ごろの好況期を上回る可能性が高い。


5G端末の急速な立ち上がりに株式市場も沸く。サムスンやTSMC、クアルコム、インテル、ソニーなど各分野のトップメーカーの株価が軒並み上昇し、20年前のITバブル以来の高値圏で推移する。最先端品を量産する難易度は年々高まり供給できるメーカーも限られる。アップルをはじめスマホメーカーが先端半導体を奪い合う構図となっている。


東海東京調査センター企業調査部の石野雅彦シニアアナリストは「従来予想を上回る急速な5G普及で半導体株に買いが集中している」と解説する。半導体の主要銘柄で構成するフィラデルフィア半導体株指数(SOX)は19年の1年間で60%も上昇。装置のオランダASMLや東京エレクトロンも高値圏で推移し、5Gの普及が世界的な株高を演出している。


ただ中国や新興国では消費者心理の改善は鈍く、端末価格が4Gよりも3〜5割程度高い5G対応スマホの購入が広がるかは不透明な面もある。高い端末価格に見合う5Gならではの魅力的な新サービスが生まれるかが普及の鍵を握ることになりそうだ。



(ソウル=細川幸太郎氏、シリコンバレー=佐藤浩実氏、丸山大介氏)

40歳以上の中高年人材の転職市場が立ち上がりつつある。リクルートキャリアなど人材大手3社の41歳以上の転職紹介数は、2019年度に初めて1万人を超える見通しだ。6年前の3倍の水準となる。早期退職など上場企業の人員削減策は19年、1万人を超えた。人員構成でも給与面でも比重が大きいバブル世代などの処遇は企業にとり課題だ。未成熟だった中高年の人材流動化が進めば、年功序列など日本型雇用の見直しにつながる可能性がある。


18年度に人材大手3社が紹介した41歳以上の転職者数は約9400人だった。19年度上期(4〜9月)は約5700人で、通期では初めて1万人を超えるのは確実だ。41歳以上の転職紹介数は13年度に約3500人で、6年で3倍に増える。


これまで中高年層の転職市場は小さかった。転職により収入が減るケースも多く、年功序列システムのもと今の会社に居続けた方が収入を保てるためだ。26〜30歳の若年層に比べ、41歳以上の転職者数は4分の1程度にとどまっていた。


中高年の転職が活況な背景には人数の多さがある。バブル世代や団塊ジュニア世代を中心に40歳以上の人口は約7800万人と総人口の6割を占める。この世代は給与面でも比重が大きい。厚生労働省によると、大企業の50〜54歳(男性)の平均月給は51万円、45〜49歳が46万円と、25〜29歳(26万円)の倍近い。


企業もシビアになってきた。若手社員への給与の再配分やデジタル時代に即した人材を確保するため、中高年のリストラに動く。最近は大手企業の間で好業績下で人員削減を進める「黒字リストラ」も拡大。アステラス製薬が19年に約700人の早期退職を実施するなど、黒字企業による人員削減数は9千人超と18年の3倍に増えた。


一方、働き手の意識も変わりつつある。デジタル化などで求められる仕事のスキルは日々変わる。「人生100年時代」といわれる中、長く勤めた企業を早めに去り、蓄えた資産を生かし新たなキャリアを切り開くビジネスパーソンは増える。


派遣社員として働くケースも拡大してきた。「スキルを生かしたい」。求人サービスのエンワールド・ジャパン(東京・中央)のもとには、課長職などを経験した中高年の応募が増えている。19年の派遣や業務委託など非正規雇用を望む登録者のうち、前職が課長レベル以上の役職経験者の求職者数は18年より3割以上の増加だ。


派遣社員全体の平均時給は三大都市圏で約1600円だが、エンワールドの高スキル派遣は時給3千〜6千円が中心。中には時給1万円で年収に換算すると1千万円程度になる求人もある。中高年を歓迎するのは法務や財務、施工管理など一定の専門知識を求める職種や中小企業が多い。


大手商社に6年前まで勤めていた本田雅也さん(仮名、66)は19年9月から人材サービス会社、アウトソーシングテクノロジー(東京・千代田)で派遣社員として働く。商社時代は20年以上にわたり商品売買や業務委託における契約業務の審査や顧問弁護士との折衝に携わってきた。


派遣先でも同様の仕事を手がける。勤務時間は週3日、午前10時〜午後4時で時給は2500円だ。年収換算で現役時代の6分の1以下となったが「お金には困っていない。この年で自分の能力が世の中の役に立つと思うとうれしい」と話す。


高スキル派遣を受け入れる企業は、新規プロジェクトで一時的に専門人材が必要な際にも活用しているようだ。


不動産サービスのジョーンズラングラサール(東京・千代田)は、自社の給与システムを更新する際、即戦力として60歳代の男性を派遣社員として受け入れた。契約は1年ごとの更新で、プロジェクトごとに雇用できるのが利点だという。同社の人事担当者は「人手不足で中途人材の確保が難しい。経験ある中高年なら安心して業務を任せられる」と話す。


メルカリは23日、傘下のスマートフォン決済のメルペイ(東京・港)がスマホ決済のOrigami(オリガミ、東京・港)を完全子会社化すると発表した。スマホ決済を巡っては、ソフトバンクグループが手がける「ペイペイ」などIT(情報技術)系大手が大型キャンペーンを相次ぎ打ち出して利用者を拡大する一方、資金力で劣るオリガミのような独立系事業者は苦戦を強いられていた。今回の買収をきっかけに業界再編が進みそうだ。


オリガミはスマホ決済「オリガミペイ」を運営する。メルペイがオリガミの全株式を取得し、完全子会社化する。株式譲渡の実行日は2月25日の予定で、買収金額は非開示としている。メルペイとの統合で、将来的にオリガミペイのサービスは終了する見通しだ。終了時期は未定だが、オリガミペイの利用者は新たにメルペイに登録する手続きが必要になる。


オリガミは2012年に設立したフィンテック系のスタートアップだ。当初はスマホの電子商取引(EC)アプリを展開してきたが、16年にQRコードを利用した決済サービスに参入。他の決済手段に比べて割引率が高く、20〜30代のユーザーに人気があった。17年1月にはタクシー大手の日本交通でサービスが利用できるようになり、ビジネスマンの需要も開拓するなど、スマホ決済のパイオニアとして事業展開を進めてきた。決済できる場所は約19万カ所に上る。


潮目が変わってきたのは、IT大手のスマホ決済への参入だ。16年に楽天が、18年にはソフトバンクグループ傘下のPayPay(ペイペイ、東京・千代田)が参入した。


ペイペイは18年末、購入額の20%を利用者に還元するキャンペーンを実施。サービス開始から1年余りで利用者数は2300万人を超えた。単月の決済回数は1億回を超え、1年間で22倍に増えた。


2月には外食チェーンでペイペイを利用すると、購入金額の40%を残高として還元し「まだまだユーザーが増える手を打っていく」(中山一郎社長)と攻め続ける。全国20拠点で数千人が使える場所を開拓し、加盟店は185万カ所超になった。ペイペイは豊富な資金力を背景に利用者、加盟店を増やしている。


ペイペイのキャンペーンを皮切りに、他のスマホ決済を手がける企業も還元施策を次々と始めた。キャンペーンごとに利用するスマホ決済を変える消費者も出てきて、利用者獲得のための還元施策は競争が激化していた。


還元施策は利用者を獲得できる半面、企業への負担も大きい。LINEはスマホ決済「LINEペイ」で大型の還元キャンペーンを19年4〜6月期に実施し、マーケティング費用として97億円を投じた。その結果、同社の19年1〜9月期の営業損益は275億円の赤字(前年同期は67億円)だった。


LINEの出沢剛社長は「18年以降、決済事業者間による還元が激化し、消耗戦が続く。効率的なマーケティングで差別化した戦略をとった」と説明し、19年7〜9月期のLINEペイのマーケティング費用は8億円と大幅に減らした。その結果、LINEペイの月間利用者数は19年4〜6月期に490万人だったのが7〜9月期には286万人にまで減少した。


LINEは19年11月、ヤフー親会社のZホールディングスとの経営統合を決めた。LINEペイとペイペイのサービスについても、いずれ統合するとの見方が強い。


オリガミは法人向けに打開策を見いだそうとしていた。19年9月に、同社の決済基盤を企業向けに開放し、独自の決済アプリを開発するサービスを始めた。吉野家やすかいらーくなどが活用を決め、11月にはトヨタ自動車が開発した決済アプリ「TOYOTA Wallet」の一部をオリガミが担うなど、事業者向けに活路を見出しつつあった。


メルカリとメルペイは同日、信金中央金庫と業務提携を結んだと発表した。信金中金はもともとオリガミに出資しており、QRコード決済の加盟店開拓で協力していた。オリガミは今回の買収後にこれまで培ってきた加盟店網をメルペイ側に統合するため、メルカリグループが信金中金との提携関係も引き継ぐ。


信金中金は今後、全国ネットワークを通じてメルカリグループのサービス拡大を支援する。メルカリの利用方法を説明する教室を全国で開催することなどを検討する。メルペイの利用拡大により地方でキャッシュレス化が進展する効果も見込めるという。


オリガミの利用者数は非公表だが、業界関係者によると伸び悩んでいたという。メルカリの利用者数を合わせても大手IT企業のペイメント利用者数を脅かす水準にはならなそうだ。


野村総合研究所・金融イノベーション研究部の竹端克利上級研究員は、通信会社や大手IT企業による大規模な還元策を念頭に「収益化が難しい事業者は今後も再編が進む可能性がある」と指摘。その上で「決済サービスだけでなく、保険や証券など決済以外の収益源をどう確保できるかが焦点だ」としている。


人手不足や気候変動など日本企業の経営のリスク開示が海外勢に比べ遅れている。日本経済新聞社が上場企業3300社を対象に有価証券報告書で開示が義務付けられている「事業等のリスク」の文字データをテキスト解析したところ、気候変動や高齢化がもたらすリスクの言及は1割にとどまった。投資家はリスク情報から経営者の対応力などを測るようになっており、不十分だと株価や資金調達にも響きかねない。


企業の中長期的な業績に悪影響を与える可能性があるリスクは、非財務情報の一つとして投資家が重視するようになっている。欧米では悪い情報であっても事前に開示することで投資家の不安を払拭しようとする流れが主流となっている。一方、日本企業は「英国などに比べれば、開示は質量ともに不十分」(ニッセイアセットマネジメントの井口譲二・上席運用部長)との指摘が多い。


日本企業は米国に比べて全般に開示率が低く、人材確保や税制の変更、減損といったリスクでは米国は9割前後が開示している。東証1部に上場する代表的な225銘柄で構成する日経平均株価の採用企業でも6割程度で、全上場だと3〜4割にとどまった。


情報漏洩や不正アクセスといったサイバー攻撃関連のリスク開示も近年増えているとはいえ、日経平均採用企業で56%にとどまる。米主要企業は79%が開示する。


気候変動がもたらすリスクは、米企業も44%と過半に満たず、日本の全上場企業は13%にとどまった。ブランドなど無形資産に関する情報は米国の65%に比べ2割と見劣りしている。



日本企業の開示は、台風や地震など自然災害(全上場で72%)など、多くの企業にあてはまる一般的なリスクが中心で、「企業固有のものや業務に関わるリスクへの言及が少ない」(SOMPOリスクマネジメントの松原真佑子・上級コンサルタント)。


人手不足などにより24時間営業など業態の見直しを迫られているコンビニエンス各社では、人材に関する言及がなかったり、具体的な対策の記述に乏しかったりする。水温の上昇が漁獲高に影響する水産大手で気候変動のリスクについて開示がない。


一方、欧米は具体的な記載が目立つ。米アルファベットは、欧州連合(EU)の一般データ保護規則(GDPR)に重大な違反があると、全世界の年間売上高の最大4%もしくは2000万ユーロ(約24億円)の罰金などを受ける可能性があると明記する。


米アップルは、新製品の発売前に部品在庫を通常150日分と多めに発注し在庫リスクを抱えていることや、納税額が子会社のあるアイルランドの税制の影響を受けることなどを開示している。


米ボーイングは、防衛事業で固定価格契約が多く、コストが事前の見積もりを上回ると損失が出る可能性があると説明。実際18年度には、空中給油機のコストが想定を上回り、約7億ドル(約770億円)超の損失を計上したという。


日本では、住友金属鉱山が市況価格の変動が損益に与える影響額を開示。銅1トンあたりの価格が100ドル変動すると連結税引き前利益に年25億円の影響を与えるという。


内閣府令の改正で、今年3月末以降に終了する事業年度の有報から、リスクが顕在化する時期や程度、事業に与える影響の内容や対応策などの詳細な記述が必要となる。これまでは簡潔でわかりやすい内容が求められていた。


改正を先取りしたリコーは、18年度の有報で内容を大幅に変更し、英国のEU離脱の対策として、在庫を積み増したと記載した。


ただ、先行組でも、従来とほぼ変わらない記載にとどめているケースが多い。投資判断に役立つ開示では海外企業が先行しており、改善が欠かせなくなっている。



三菱UFJ銀行は24日から、紙の通帳をやめて、スマートフォンなどで閲覧できるデジタル通帳に切り替えた利用者に対し、1000円を提供する取り組みを始める。同行に普通口座を持つ先着10万人を対象とする。


紙の通帳には1口座あたり年200円の印紙税や、印刷代などの負担が銀行側に生じる。超低金利の厳しい収益環境が続くなか、少しでもデジタル化を前に進めてコスト削減を狙う。


銀行が利用者に現金を還元する形で業務効率化を促す取り組みは珍しい。三菱UFJ銀は新規の口座開設者の一部に対する紙の通帳発行を対象に、200〜1000円程度の手数料を徴収する検討も進めている。

どうしたら損しない? 銀行が手数料を相次ぎ引き上げ

2020年は銀行の手数料引き上げが相次ぐ。みずほ銀行は預金額に応じて手数料を優遇するプログラムを改定し、20年3月に振込手数料などを実質的に引き上げる。メガ銀行や地方銀行では稼働していない口座に手数料を課す検討も進む。スマホ決済のLINEペイは銀行より安い手数料で振り込めるサービスを始めた。内容を見極めて金融サービスを使いたい。


みずほ銀は預金残高などに応じ、3段階のステージがある「みずほマイレージクラブ」を大幅に見直す。優遇が縮小し、実質的な負担増となる。


現状では残高が50万円以上だと真ん中のステージになり、振込手数料などで優遇を受けられる。今後は預金額に関係なく、デジタル通貨「Jコインペイ」の利用や積み立て型投資信託の購入で月1万円以上の引き落としがないと、現状のステージを維持できない。




提携先のATMで現金を引き出す場合はステージを問わず、20年3月からセブン銀行とローソン銀行を使うと手数料が生じる。ステージの判定は20年1月末時点の取引状況で確定する。みずほ銀とイオン銀行のATMを対象にした時間外手数料の優遇措置は続ける。


あわせてATMによる振込手数料を改定。キャッシュカードでみずほ銀の本支店間に振り込む場合、3万円未満なら110円の手数料が220円に、他行宛てだと220円から330円となる。「インターネットバンキングに切り替えようか」。改定の内容が明らかになると、ネット上には不満の声があふれた。


三菱UFJ銀行も振り込みや両替など、銀行窓口で受けるサービスの手数料を来年春にも引き上げる検討を進めている。他行宛てに3万円以上を振り込む際の手数料を880円から1000円程度とする方向だ。無料で発行してきた通帳の有料化も検討課題だという。


りそな銀行は海外送金の手数料を20年2月に引き上げる。窓口で送金を受け付ける場合、1件あたり6000円の手数料を7500円にする。三井住友銀行も今月から、3000〜4000円の手数料を7000〜8000円としたばかりだ。


銀行が手数料を上げるのは、長引く低金利で収益力が下がっていることが背景にある。マネーロンダリング(資金洗浄)対策の強化を受け、身元確認などへのシステム対応や人手にかかる経費がかさんでいる。たとえば海外送金では銀行窓口で書類の確認が厳重になっており、ある大手行では関連する人件費が1年で約4割上がったという。


ネットは据え置き

各行は一律で手数料を上げているわけではない。人手のかさむ銀行窓口で負担増を求める一方、ネットバンキングでは据え置く場合が多い。プログラムを見直すみずほ銀は「みずほダイレクト」を使えば本支店間の振込手数料が引き続き無料だ。家計コンサルタントの八ツ井慶子氏は「頻繁にATMや窓口を使う人はネットバンキングも検討してみては」と話す。


無料が当たり前だったサービスでも銀行は有料化を検討している。三菱UFJ銀は2年間取引がない口座に手数料をかける検討に入った。注意したいのは、すでに口座を開いている人には不利益変更となるため、徴収を当面見送る点だ。


検討を進めている案では、20年10月以降に開設された新規分を対象とし、年1200円(税抜き)の管理手数料を自動的に引き落とす。2年間取引がない口座が対象となるので、手数料の引き落としが始まるのは最短でも22年秋からになる。


りそな銀と埼玉りそな銀行は04年から、入出金などで2年稼働していない口座に1320円の手数料を課している。残高がなくなると自動で解約されるしくみだ。管理手数料を取る信用金庫も出始めており、大手行や地銀でも徴収への流れが強まる可能性がある。




動画配信サービスの米ネットフリックス(Netflix)が好調です。2010年代に最も株価が上がった企業がNetflixでした。メディア企業として世界第2位の時価総額であり、2018年5月にはトップのウォルト・ディズニー社を追い抜いたほどです。Netflixがこの10年間で躍進できた背景には、ディズニーを意識した差別化戦略があります。グロービス経営大学院の金子浩明教授が「ポジショニング」の観点から解説します。


【解説ポイント】
・DVDレンタルから成長
・経営資源をドラマに集中
・多言語活用で世界へ


■需要の分散に成功

ポジショニングとは、自社の製品やサービスを、顧客ニーズに合わせると同時に競合との違いを明確にすることで、顧客の記憶の中にユニークに位置づけることです。ポジションを明確にする際は、2軸マップを使うのが有効です。平面上で各社の違いを可視化できるので分析しやすくなります。


Netflixは1997年に創業、最初はDVDのレンタルを郵送で行っていました。米国のDVD普及率が数%の時代です。当時の競合は全米に普及していたレンタルビデオ店であり、こうした店舗に対してNetflixは店舗に行かなくてもDVDを家まで届けてくれるという利便性を訴求しました。


しかし、ビデオをレンタルする顧客の主なニーズは、金曜の夜などに「いますぐ借りて観たい」であり、ソフトが届くまでに1日以上かかるNetflixは苦戦しました。そこでNetflixは延滞料金を廃止し、料金体系を借り放題の月額定額制に変更します。しかし、新作の取得にかかるコストが経営を圧迫。会員に貸し出したソフトの半数は新作でしたが、新作は取得にかかる費用が高く、新作が会員の家に滞留することでその費用が増大したのです。


そこで、旧作やあまり知られていない映画を会員に宣伝したところ、今度は宣伝した映画に貸し出しが集中してしまいました。そこで、需要をバラつかせるために、会員の好みに合わせて映画を推薦するシステムを開発したのです。


会員には個別に映画が推薦されますが、在庫切れのDVDは表示されないようになっていました。こうして新作の貸し出し比率を3割未満に下げることに成功し、旧作やマイナーな映画の在庫の回転率が上がりました。こうして、「日常的に映画を見ていたい顧客」からの支持を得ながら、コストを下げることに成功しました。


■独自でドラマ制作

Netflixは07年から動画配信サービスを開始しました。この年は初代のiPhoneが発売された年です。以降はスマートフォンやタブレットPCの普及とインターネットの回線速度の向上によって、動画配信サービスの会員数は徐々に増えていきました。


市場が拡大するにつれて、一部の映画会社は自社で独自の動画配信サービスを検討するようになりました。もし、映画会社から人気のコンテンツを提供されなくなってしまうと、Netflixの経営は行き詰まってしまいます。そこで11年からコンテンツの制作に着手し、16年には自社スタジオを設立します。


現在、Netflixの競合は、動画配信サービスのHulu(ディズニーの子会社)やアマゾンプライム、アップルTV、ケーブルテレビ局のHBOなどです。動画配信各社は映画会社やテレビ局からコンテンツを購入するだけでなく、独自のコンテンツ制作に力を入れています。以下、現時点における各社のポジションを比較してみます。


Netflixのコンテンツはドラマが中心(一部ドキュメンタリーやコメディー)で、スポーツ中継やニュースは扱いません。もうひとつの特徴は作品の多様性を追求していることです。他社オリジナル作品の多くは米国を舞台にしており、ハリウッドで制作されています。それに対してNetflixは世界のあらゆる場所に眠っているストーリーを掘り起こし、世界で配信することを目指しています。吹き替えの多言語化に力を入れているのも、そのためです。


競合のHuluはオールジャンルで、オリジナルのドラマに加えてスポーツ、ニュース、ディズニースタジオの映画を揃えています。ただし、オリジナルドラマはアメリカ発のものが中心で、海外制作の作品は提携している現地のテレビ局のコンテンツを流しています。アマゾンはドラマにフォーカスしておらず、オリジナルで日本のローカルのお笑い番組や恋愛リアリティー番組「バチェラー」日本版を制作しています。各社のポジションを2軸で整理すると、次のような感じになります。



■立場はチャレンジャー

Netflixにとって最も手ごわい競合は、Huluを傘下に収めたディズニーでしょう。オールジャンルのコンテンツを提供できるうえ、ディズニースタジオと20世紀フォックスの両スタジオが生み出してきたキャラクターや作品は強力です。


Netflixのコンテンツ制作費は、2019年には150億ドルに上ると言われています。競合のアマゾンは同時期に年間60億〜70億ドル程度、Huluの制作費は2018年度で25億ドル程度ですが、親会社のディズニーは傘下に映画製作のディズニースタジオ(ピクサーやマーベル)、20世紀フォックス(映画製作に加え、ニュースを手掛けるFOXチャンネルを持つ)、スポーツ専門チャネルのESPNなどを有しており、2018年度の制作費の総額は238億ドルでNetflixの倍近くでした。


だから、Netflixの時価総額はディズニーに及ばないのです。コトラーの競争地位戦略で分類すると、ディズニーはマーケット・リーダー、Netflixはマーケット・チャレンジャー(リーダーに挑戦する立場)になります。


マーケット・リーダーの戦略は、製品はフルラインアップで提供、チャネルは全方位で展開です。ディズニーは幅広いジャンルのコンテンツを揃え、チャネルはネット配信に加えてケーブルテレビ、映画館での上映など、全方位に展開しています。まさにリーダーの戦略です。ドラマのジャンルに絞れば、ケーブルテレビのHBOがマーケット・リーダーです。2019年のエミー賞のノミネート数のトップはHBOでNetflixは2位、受賞数もHBOがトップでした。


リーダーを追いかけるマーケット・チャレンジャーは、資本力で正面からぶつかったら勝てないので「差別化」が必要です。何らかの理由によって、リーダーがやらないこと、できないことをやるのです。

Netflixは、経営資源をドラマに集中させています。ディズニースタジオでは手掛けないような大人向けの作品(麻薬や性に関するもの)や、HBOが手掛けていない海外ローカルで制作したオリジナル作品を多く提供しているのが特徴です。


なお、米国外で制作した作品のターゲットはその地域の会員に限りません。Netflixには優れたリコメンド機能があるので、ローカルで制作したオリジナル作品は世界の会員に推薦されます。また、2018年にはオリジナル映画が権威ある映画賞を受賞しましたが、ディズニーと異なり映画館では一切上映しませんでした。これも戦略です。


ところで、ヘイスティングス最高経営責任者(CEO)は、オンラインゲームのフォートナイトを競合だと述べています。確かに、ディスプレーに映るコンテンツを提供する企業は全て競合でしょう。今後は、ゲームとドラマを融合させたサービスを提供する可能性もあります。DVDレンタルからメディア企業に変貌を遂げたNetflixの今後に目が離せません。



かねこ・ひろあき

グロービス経営大学院教授。東京理科大学院修了。リンクアンドモチベーションを経て05年グロービスに入社。コンサルティング部門を経て、カリキュラム開発、教員の採用・育成を担当。現在、科学技術振興機構(JST)プログラムマネジャー育成・活躍推進プログラム事業推進委員、信州大学学術研究・産学官連携推進機構信州OPERAアドバイザー。


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