新法施行踏まえ、ネットで消費者につなぐ

食べられるのに廃棄される食品をシェアリングで減らす動きが広がってきた。クラダシ(東京・品川)などのスタートアップ企業が相次いで余った食品と消費者をインターネットで結びつけるサービスを提供。余剰食品を安く販売する店舗も増やす。食品ロス削減推進法が1日に施行され官民で対応が求められる中、無駄をなくすよう消費の見直しが進みそうだ。

賞味期限が迫るなどした食品を割安に買える通販サイトの先駆けが、クラダシが運営する「クラダシドットジェイピー」だ。会員は登録無料だが送料がかかる一般と、月550円で送料無料のプレミアムを合わせた会員数は7万8千人。4年で5倍以上に増えた。

賞味期限が近づいたり、傷ついたりしたパスタやゼリー、缶詰、飲料から生モノまで、希望小売価格より6〜7割安く売る。最大で9割引きだ。

売り上げの一部が福祉団体などに寄付される仕組みとし、メーカーが嫌う安売りによるイメージ悪化を抑制。供給企業は600近くに増え、月150トン以上の食品ロス削減につながっている。

クラダシは消費者との接点を増やそうと実店舗にも進出。ホームセンターの島忠と組み、今夏から千葉県や埼玉県の店に販売コーナーを開いた。 農林水産省によると、日本の食品ロスは2016年度時点で約640万トン。国民1人あたり毎日茶わん1杯分にあたる。新法は国の基本方針を踏まえた自治体の削減推進計画策定のほか、企業の協力と活動を求める。

削減の取り組みでは、大手が規模で先行する。コンビニエンスストアがうなぎ弁当など季節商品を受注生産に変更し、外食店は持ち帰りや少量のメニューを増やした。

新興勢のサービスは利用者が急増し、消費行動の変化を後押ししそうだ。バリュードライバーズ(東京・港)のサイト「たべるーぷ」には農家や水産業者などが出品し、規格外の農水産物の廃棄を防ぐ。加工して付加価値も高める。1万の消費者や飲食業者が買い手に登録する。

コークッキング(同)の「TABETE(タベテ)」は東京などの約340の飲食店などが余ったパンや料理を出品。カード決済し店舗で受け取る。政府は2030年度に事業系の食品ロスを2016年度比で2割強減らす目標だ。

(大林広樹氏)

スポーツの歴史を振り返っても、今のラグビー日本代表は珍しい特長がある。「〇〇(監督名)ジャパン」という愛称がつき、「監督」の存在感がクローズアップされがちな日本にあって、「選手自身で動かすチーム」を目指してきたからである。9月28日に行われたワールドカップ(W杯)日本大会の2戦目、アイルランド戦は、それが問われる試合だった。

前回大会から日本を率いる主将のリーチ・マイケル。W杯で初めて先発を外れ、ベンチからの出場となった。従来の日本代表ではあり得ない、異例の決断である。

■アイルランド戦、主将不在でも揺るがなかった組織

W杯のような大舞台で主将を外すことは、サッカーなど他競技の日本代表でもめったにない。特にラグビーでは監督が試合中に出せる指示は限られており、主将は「グラウンド上の監督」とも言える立場。本来なら意思決定に支障を来すこともあり得る、リスクのある決断だった。

主将不在で臨んだアイルランド戦。日本の組織は揺るがなかった。代理の主将を務めた南アフリカ出身、ピーター・ラブスカフニを皆で支えたからだ。リーダー陣の一人、稲垣啓太は言う。「次に何をしようと個人で考えたり、プレーが途切れた時に周囲に声を掛けたりした。僕以外の選手もやってくれた」

細かい意思疎通で、試合中の戦術変更もうまくいった。キックの使い方を修正したことで、ボールを持つ時間を延ばし、アイルランドの攻める機会を減らした。前半30分、先発のアマナキ・レレイ・マフィの負傷によりリーチ主将が早めに登場したが、そうでなくともチームが崩れることはなかったのではないか。

リーチが先発しなかった直接の原因をジェイミー・ジョセフ・ヘッドコーチ(HC)は「経験のある選手が控えに必要だったから」と説明する。リーチが初戦で本調子でなかったことと、同じポジションの層が厚いことも理由になっている。ただ、異例の決断ができた背景には、キャプテン不在でもチームが回るようにリーダーを多くつくってきた経緯がある。

8月に北海道網走市で行った合宿。珍しいトレーニングが行われた。バーベルを担いだり自転車型トレーニングマシンをこいだりする合間に、52枚のトランプが並べられる。選手が息を整える間に、分担してカードの位置を全部覚える。別の日は、矛盾するいくつかの文章が提示され、登場人物のうち、嘘をついているのは誰かを当てる――。

心身が厳しい状態の中で、仲間同士がコミュニケーションを取り、意思決定するための訓練。リーダー陣の一人、流大は「試合中にリーダーに不測の事態が起きたり、ケガをしたりした時でも、チームがまとまれるようにという目的がある」と話す。

ジョセフは31人のW杯メンバーの中から、リーチを含む10人のリーダーを任命。攻撃、守備など役割を分担して、権限を委譲している。例えば、試合の4日ほど前のミーティングでは、戦術を選手に説明するのはコーチではなく、リーダー陣の役目になっている。

各リーダーは2〜3人の選手とともにミニグループをつくり、練習の感想を話し合ったり、食事に行ったりもする。1年前からは、合宿の空き時間にポジションの近い選手同士が集まり、練習や試合の映像を見て分析する「自習」も始めた。

ジョセフの母国は「ラグビー王国」のニュージーランド。W杯を2連覇中の同国代表「オールブラックス」は、監督が提示した練習メニューを主将が変更することもあるほど、選手の意見を尊重する。その理念や仕組みをジョセフは日本に導入した。

成果は出ている。ラグビーの戦術のキモの一つが、キックの使い方。多く蹴ってボールの保持率を減らし、カウンターを狙うのか。パスでつないで、ボールを相手に渡さない戦いをするのか。コーチ陣の指示を待たず、試合中に選手が変更できるまでになった。8月の米国戦では、当初はパスを主体に攻めたものの、有効でないとみるや、グラウンド上で選手が話し、キックを増やすやり方に転換。快勝した。

文部科学省は30日までに、外国出身者ら日本語指導が必要な高校生の中退率はおおむね10人に1人に当たる9.6%で、1.3%だった高校生全体に比べ、7倍以上高いとする調査結果を発表した。文科省の担当者は「日本語だけでなく、将来像を描けないなど、さまざまな理由があるとみられる。包括的に子どもたちを受け止める体制を作りたい」と話している。
、2017年度に公立高校などに在籍したり、卒業したりした生徒を対象とした。日本語指導が必要な生徒は3933人で、378人が中退していた。

2017年度に卒業した704人のうち、大学や専門学校などに進学したのは297人で42.2%。高校生全体の71.1%と大きな差がついた。卒業後、就職したのは245人で、このうち非正規の仕事に就いたのが40.0%(98人)。進学も就職もしなかったのも18.2%(128人)いた。高校生全体ではそれぞれ4.3%と6.7%で、厳しい進路状況が浮かんだ。

文科省は、2年ごとに実施している公立小中高校などで日本語指導を必要とする子どもの数も発表。昨年5月1日時点で5万759人となり、1991年度の調査開始以降で最も多かった。

このうち、外国籍の子どもは前回調査から6150人増の4万485人。国際結婚などで日本国籍を持つのは662人増の1万274人だった。補習など日本語に関して特別な指導を受けている割合は、外国籍で79.3%、日本国籍で74.4%。前回よりそれぞれ2.4ポイントと0.1ポイント増えた。調査は、2017年度に公立高校などに在籍したり、卒業したりした生徒を対象とした。日本語指導が必要な生徒は3933人で、378人が中退していた。

2017年度に卒業した704人のうち、大学や専門学校などに進学したのは297人で42.2%。高校生全体の71.1%と大きな差がついた。卒業後、就職したのは245人で、このうち非正規の仕事に就いたのが40.0%(98人)。進学も就職もしなかったのも18.2%(128人)いた。高校生全体ではそれぞれ4.3%と6.7%で、厳しい進路状況が浮かんだ。

文科省は、2年ごとに実施している公立小中高校などで日本語指導を必要とする子どもの数も発表。昨年5月1日時点で5万759人となり、1991年度の調査開始以降で最も多かった。

このうち、外国籍の子どもは前回調査から6150人増の4万485人。国際結婚などで日本国籍を持つのは662人増の1万274人だった。補習など日本語に関して特別な指導を受けている割合は、外国籍で79.3%、日本国籍で74.4%。前回よりそれぞれ2.4ポイントと0.1ポイント増えた。





河井克行法相は日本経済新聞などのインタビューで、社会問題となっている児童虐待について「政府全体で撲滅に取り組む」と語った。「(法務省の)全ての部局が参加する検討会を発足するよう指示した」と述べ、数カ月以内に対策をまとめる意向も示した。

千葉県野田市での女児死亡事件など、子どもへの「しつけ」を名目にした虐待は後を絶たない。法相の諮問機関である法制審議会は、子どもを戒めることを認めた民法上の「懲戒権」の見直しを検討中だ。「体罰を容認する口実になる」との批判があがっていた。

4月に創設した新たな在留資格「特定技能」による外国人の受け入れに関しては「9月20日現在で特定技能の許可は300件だ。今後、着実に増加する」と強調した。試験の拡大や制度の周知に取り組む考えを示した。

SDGsって「スポーツとSDGs」っていうのもあります。
「健康投資経営」というのが昨今企業の間で言われてい事がその例でもあり、でも毎日のように様々な世界規模のスポーツ中継全部観てれば不健康になってしまう。ラグビーW杯で奇跡といわせないアイルランド戦、世界陸上での走り幅跳び決勝進出、かたや100m走準決勝での日本人の健闘、新体操でのノーミスの見事な金賞等々、私もSDGsを知ってから色々勉強し、現在やるべきことを進めている。
今回はいつもあげている9本のブログのうち8本を載せましたのでぜひ見てください。どれもSDGsと深く関わりがあります。
それにしても50匐ナ睥詭攸手すごい!金メダルおめでとうございます!

ココロ未来学院、国連SDGs「誰一人置き去りにしないために」

mental-health times news

性同一性障がい、瑚心すくいの「私の小さな人生

瑚心すくいの女性のすぐそこにあるとても大事なもの。。。

ココロ未来学院、社会起業家で在るために

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沿岸インフラに危機 日本、問われる対応

国連の気候変動に関する政府間パネル(IPCC)は25日、地球温暖化が海面上昇や生態系にもたらす影響を予測した特別報告書を公表した。南極の氷が速く解けるなどして海面が今世紀末までに最大1.1メートル上昇する。被害を抑えるため沿岸部のインフラ整備などに年間で数千億ドルの投資が必要になるとした。従来の想定を超える影響が地球規模で広がる恐れがあるなか、日本も具体的な政策対応が問われる。



IPCCの総会は20日からモナコで開かれ、世界の科学者らが最新の知見にもとづいて地球温暖化の影響を議論した。

25日に公表した報告書で、今世紀末までに海面の上昇が進むと予測。2013年の報告書では、2100年までに82センチの海面上昇があるとみていたが、南極の氷の解ける速度が予想より速まっていることが判明し、上昇幅の見通しを変更した。

これまで南極の氷床の融解についてはデータが不足していたが、調査を重ねた結果、南極のほかグリーンランドの氷も解け、海面上昇が加速していることが分かったという。1901〜90年に比べ2.5倍の速さで海面が上昇しているとした。

「確度は低い」としながらも、2300年には最大で5.4メートル上昇する恐れがあるとした。

世界的な海面上昇に伴い、沿岸部にある湿地の2〜9割が消失する恐れがあると指摘した。1年あたりの沿岸の浸水被害は現在の100〜1千倍に増えるとみている。

海面の温度が急上昇する「海洋熱波」という現象が今世紀末には50倍の頻度で発生するとした。海の生態系に危機的な打撃を与え、魚の収量は20〜24%減るとした。

沿岸の都市インフラへの影響に備える必要がありそうだ。報告書の作成に関わった東京大学の阿部彩子教授は「沿岸の水位が1メートルでも上がると現在のインフラを使い続けることが難しいものも出る。経済や産業構造を含めて見直しが必要になる場合もある」という。

陸地でも高山の氷河や永久凍土などに広く影響が出てくる。2100年までに欧州やアジアなどの一部の氷河では8割以上が解けると予測した。スイスやアジアのヒマラヤ山脈付近は山岳氷河を観光資源としている国も多く、影響は必至だ。

芝浦工業大学の平林由希子教授は「日本でもライチョウなど高山に住む生物の生存への影響は避けられない」と話す。

日本では2018年に「気候変動適応法」を施行。各自治体に対し防潮堤の整備や熱中症予防にも役立つインフラ建設などの適応策の作成を求めた。

報告書で海面上昇の速度に言及があったことを踏まえ「適応策を作成中の沿岸部などの自治体は、これから海面上昇への対応を織り込む必要が出てくる」(環境省)という。環境省の2001年の調べによると、海面が1メートル上昇すると国内の砂浜面積の9割が消失するという。当時の試算では港湾施設の対策に7.8兆円、海岸構造物には3.6兆円が必要とした。

高潮や高波の影響を受けやすくなることも予想され、防潮堤や低地のかさ上げなどの対策も求められる。西欧諸国は二酸化炭素(CO2)の排出量に応じて負担を求める炭素税の導入などで先行している。環境対応に消極的な企業から投資を引き揚げる動きが世界で広がるなか、日本も官民をあげたさらなる取り組みが大きな課題となる。





貧困撲滅・女性活躍など遅れ
【ニューヨーク=大島有美子】米ニューヨークの国連本部で24日、「持続可能な開発目標(SDGs)」に関する初の首脳級会合が開幕した。国連に加盟する約190カ国・地域が参加し、共同宣言を採択した。持続可能な世界の実現に向けて、多くの分野で「進捗の遅れ」がみられると明記し、危機感を共有した。

会合は25日まで開く。国連は2015年、持続可能な開発のために「性の平等」や「飢餓を無くす」など30年までに達成すべき17の目標を「SDGs」として定めた。設定から4年後となる今回の会合で、初めて首脳級が集まり、各国の取り組みを紹介したり、進捗を確認したりする。

国連のグテレス事務総長は24日の冒頭の演説で「我々はあるべき姿からはかけ離れている」と述べ、進捗の遅れへの危機感を示した。共同宣言でも貧困撲滅や女性活躍など多くの分野での遅れを憂慮し、行動を加速する必要があるとした。国家間の経済格差が拡大していることについても危機感を示した。

「公平な国際貿易」が持続可能な世界の実現の原動力になるとも記した。グテレス氏は演説で「世界の貿易を巡る緊張が高まり、目標達成に向けた新たな障害が生じている」と述べた。宣言には各国に広がる保護主義を念頭に「ルールに基づいた開放的、公平な多国間の貿易システムを維持するよう努力する」との文言を入れた。

2015年に定めた17の目標は引き続き維持する。環境分野においても、気候変動や海洋プラスチックごみの増加が人類に災いをもたらす危険性が高まっているとし、各国に具体的な行動を促す。





パトロール・食育…大学が後押し、自治体と仲介

大学生のボランティア活動が多彩になってきた。街おこしイベントや外国にルーツがある子どもの学習補助、スポーツ大会の運営支援など、福祉施設や被災地の支援といった従来活動の枠を超えて広がる。大学側も「キャンパス外で多様な経験を積んでほしい」と活動の単位認定やボランティア団体との仲介を進め、活動の拡大を後押ししている。

「気をつけて帰ってね」。徳島文理大(徳島市)の学生ボランティアは週1回、徳島県警の警察官と青色点滅灯を付けた自転車で子どもの見守りパトロールに出かけている。

5月に説明会を開いたところ、約10人が参加を希望した。2人1組で地元小学校の下校時間に通学路を巡回する。学生は「不審者を見つけたり交通事故を防いだり、地域の役に立ちたい」と話す。

徳島文理大ではほかにも、地元の祭りの手伝いや街の清掃、献血や義援金の呼びかけなどの活動に学生が参加している。 活動内容が広がったきっかけは「ボランティアパスポート制度」だ。徳島県がボランティアを受け入れる団体などを大学側に紹介し、学生が参加したい活動を探す。学生は県が発行する冊子にボランティアに費やした時間数を記録し、40時間に達すれば2単位を取得できる。

徳島文理大・同短期大学部と徳島大が対象で、年間計約300人が参加する。徳島文理大の担当者は「県と連携することで様々なニーズを把握でき、学生にとっても選択肢が広がる」と話す。

甲南女子大の学生ボランティア11人は昨年11月、地元の神戸市東灘区が主催する「食育フェア」に初参加した。子ども向けに食に関する絵本の読み聞かせをしたほか、健康に良いとされる素材を使った手作りクッキーを配った。

甲南女子大では、外国にルーツがある子どもの学習補助や学童保育所などでの遊びや宿題の見守り、幼稚園の手伝いなどのボランティアにも参加する学生が増えている。保育や教育を学ぶ総合子ども学科などがあり、学生が将来の進路を考える際に役立つ活動が多い。

大学側も活動量を時間数で測るポイント制を導入。120分で1ポイントがつき、15ポイントで1単位となる仕組みにしている。甲南女子大社会貢献課の担当者は「活動に参加するハードルを低くする狙いで始めた。キャンパス外で多様な経験を積む意義は大きい」と期待する。

2020年東京五輪・パラリンピックに合わせてボランティア支援を強化したのは国士舘大(東京・世田谷)。大会期間中は「特別課題研究期間」にして授業や試験をせず、期間外でも五輪関連のボランティア活動に参加する場合は公欠とする。

想定する活動は外国人客への交通案内から病院の受診サポートまで幅広い。学生からは「関心があった五輪ボランティアに参加できるのはうれしい」との声が出ている。国士舘大の担当者は「語学や救急医療、防災など学生が学んでいることを生かせる絶好の機会だ」と期待している。

(中村信平氏、松浦奈美氏)





子に過大な要求「教育虐待」に注意 「習い事ぎっしり」も避けて
教育熱心な親が子どもに学業面で過大に期待したり要求したりする「教育虐待」。近年は中学受験を目指す親子間で起きがちで、昔からいる「教育ママ」とは質が異なるという。中学受験専門のプロ家庭教師、西村則康さんの助言を、日経BPの共働き世帯向け情報サイト「日経DUAL」から紹介する。


「中学受験は親子の受験」といわれ、親のサポートなしでは成り立たない。大学受験に挑む高校生とは異なり、小学生の子どもは自分で受験勉強のスケジュールを立てて、自律的に勉強するのが難しいためだ。

日本には昔から「頑張れば報われる」という根性論が存在する。中学受験においても「たくさん勉強をすれば合格できる」「今我慢して勉強すれば、将来が保証される」と考える親は多く、わが子のためと思って必要以上に勉強させる。ただ、小学生の子どもは体力も気力も大人とは異なる。

中学受験の勉強には難しい抽象概念の理解が必要だ。成熟度の高さが成績に大きく影響するため、頑張っても報われないことがある。ところが親たちは「成績が上がらないのは努力が足りないからだ」と思い込み、さらに頑張らせようとする。中学受験の専門家から見ると教育虐待でしかないが、親には自覚がない。

はじめは子どもも「もっと頑張らなければ」と思うが、親の叱咤(しった)激励が続くと、これ以上頑張れないと感じる。「つらいな」と思いつつ、受験勉強はそういうものだと受け入れてしまう。家庭内で起きるので、親も子もおかしなこととは気づかない。

教育虐待に陥りがちな母親は常に眉間にシワを寄せている。不機嫌な表情で「なんでわからないの?」「わたしはできたのに、どうしてできないの?」と詰め寄ったり、「あなたの努力が足りない」と大量の課題を押しつけたりしても、子どもがのびのび勉強できるはずはない。子育てで失敗したくないという母親のプレッシャーを伝えているだけだ。

インターネットでたくさんの情報が得られる今も、こと子育てに関しては自分の狭い経験を繰り返す例が多い。子どもに厳しく当たる親の多くが、自身の親から厳しく育てられている。

「女子御三家」の難関校を目指し、母親が娘を厳しく指導する家庭があった。話を聞くと志望校は母親の母校で、自身も母(娘の祖母)から厳しく指導を受けたため、たくさん勉強しないと合格できないと思い込んでいた。

長年家庭教師をしていて感じるのは、成績が伸び悩む子の家庭には共通して母親に笑顔がない。わが子のためと思って一生懸命なのは分かるが、愛情のかけ方を間違えている。母親の心が和らぐと途端に子どもの表情も変わり、勉強がうまく進むことが多い。母親がいつも笑顔でいれば、子どもは大好きなお母さんのために頑張ろうという気持ちになる。

近年は子どもにたくさんの習い事をさせる家庭がとても多い。現代は学歴は全てではなく、生きる力が求められる。親世代の子ども時代とは異なるため、手探りするしかない。プログラミングに英語、楽器、スポーツ、算数などを取り入れると1週間の予定は瞬く間に埋まる。

子どもの力をできるだけ伸ばしたいと思って、親がいろんなチャンスを与えるのはよいことだ。ただ、子どもが楽しく感じず、毎日忙しくてしんどいと思っているなら教育虐待だ。

一番の問題は子どもの自由を奪っていることだ。子どもは何もない時間にやりたいことを見つけたり、おもしろいことを考えたりする。大人から言われたことを疑問を抱かずにこなす子は、自分なりに考えたり工夫したりする経験が圧倒的に少ない。

どの学校も入試には塾のテキストの問題ではなく、考えさせる問題を出す。人の指示通りに動く子よりも、自分で考える子に入学してほしいからだ。一方で習い事で予定がいっぱいの子どもは、親に言われるがままに予定をそつなくこなす。この癖がつくと、中学受験の勉強でも言われたことを言われたように解くようになる。

幼い小学生を受験に向き合わせるのは簡単ではない。焦ったり、イライラしたりすることもあるだろう。きついことを言ってしまったときは鏡で自分の顔を見てほしい。「あ、私、ちょっと怖い顔になっている」と思ったら要注意。そこで気付くことが大事だ。

=詳細は日経DUAL(https://dual.nikkei.co.jp)8月27日付で

にしむら・のりやす プロ家庭教師・名門指導会代表、中学受験情報局主任相談員。家庭教師として40年以上難関中学・高校受験を指導し、2500人以上の教え子が関東・関西の難関校に合格した。著書に「御三家・灘中合格率日本一の家庭教師が教える 頭のいい子の育て方」(アスコム)など。
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パナマ運河の人造湖、ガトゥン湖のダムを上から見渡して、何が欠けているか分かるだろうか。同運河の中間付近に位置するガトゥン湖にはコンテナ船が所在なげに浮かび、大西洋への玄関口となるカリブ海への通航を待っている。湖に浮かぶ島のように見えるのは、湖底から突き出ている丘の頂上だ。米国人技術者らが1世紀前にこの地をせき止め、当時としては世界最大の人造湖をつくった。全ては順調にみえるが、同運河を管理するパナマ運河庁の警備員はある問題を指摘する。ダムの水位が本来あるべき水準より1.8メートル低い、と。

ガトゥン湖の水はパナマの生命線だ。湖は4月中旬から12月中旬までの雨期の間、乾期に備え雨水をためる。近くにある別の人造湖アラフエラ湖とともに、首都パナマ市に飲料水を供給している。ガトゥン湖はパナマ運河の5分の2を占める。パナマ運河は世界の海上貿易の3%を担い、クルーズ船や時には原子力潜水艦も太平洋と大西洋を結ぶこの近道を行き交う。運河庁はパナマ政府の歳入の8分の1を稼ぎ出す。ダムの現場技術者オスカー・マッケイ氏は「ここでは水がカネになる」と話す。

■深刻な干ばつは、乾期の長期化の兆しか

ガトゥン湖の水面は通常、雨期には標高26.5メートルまで上昇し、乾期が終わる頃には25.9メートルに下がる。だが、乾期が長引くと重大な問題が生じる。水位が24.4メートルを下回ると、船体が湖底をこすらないよう、運河庁は運河を通航できる最大サイズの船「ネオパナマックス」に積載量の制限を課す。24メートルを下回れば、もう少し小さな「パナマックス」船でも湖を出入りする際に水門の底に当たる恐れが生じる。パナマは今年6月、1903年の独立以降で最も深刻な干ばつに襲われ、ガトゥン湖の水位はその水準に迫った。2016年には乾期が今年より長引き(干ばつの程度は今年ほど深刻ではなかったが)、この基準を初めて下回った。


パナマ市の人口は増え、運河を通航する船舶も増えているため、水位がその水準まで下がる可能性は高まっている。船が運河の水門を通るたび、ガトゥン湖は2億リットルの水を放出するからだ。乾期には、運河からの放水で水位が月80センチメートル下がることもある。

今年は多くの船舶に積載制限を課したため、運河庁の収入は数百万ドル落ちた。ある幹部は、親指と人さし指をくっつけて、運河の収入の落ち込みは「もっとひどくなっていたかもしれない」と話す。パナマックス船にまで積載制限を課すことは辛うじて回避できたからだという。

7月以降の雨で水位は24.7メートルに上昇したが、不安は和らいでいない。2014年以降に相次いだ深刻な干ばつは、乾期が長期化しつつある兆しかもしれないからだ。これが事実なら、パナマ市への水の供給や政府の歳入だけでなく、パナマ運河の貿易の拠点としての役割も脅かされる。運河庁の幹部だったオネシモ・サンチェス氏は「国際サプライチェーン(供給網)では、どれだけの貨物を運河を航行させられるのか安定していることが決め手となる」と指摘する。パナマ運河を通過できる貨物量が不安定になれば、海運各社はコストが高くても別のルートを選ぶようになる。


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