多地域居住に刺激のある出会いを求める利用者も(千葉県御宿町)
手軽に多地域居住できるインフラが整ってきました。定額で各地の賃貸住宅に暮らせる会員制サービスが相次いで誕生。航空会社や鉄道会社と組んで割安に移動できる試みも始まります。都市の人たちとつながりを深められるとみて協力する自治体も増えてきました。

アドレス(東京・千代田)は月額4万円から各地のシェアハウスに住めるサービスを手掛けています。物件は首都圏のほか、北海道から九州まで。会員はいつでも使える拠点を1つ持ち、ほかのシェアハウスは予約制で、1カ所につき連続7日間まで滞在できます。

移動もしやすくします。全日空と組んで月額2万〜3万円の定額で指定路線を月に4回利用できる実験を始めるほか、JR東日本とも提携しました。

アドレスが大切にするのが会員と地域の交流です。物件には「家守(やもり)」という管理人を置き、会員が地域に溶け込めるよう手助けする役割を担います。この家守こそ「サービスの根幹になる価値」とアドレスの後藤伸啓さんは言います。

そこには「地域活性化には意識の高い人だけでなく、会員として滞在を楽しむ中で自然に地域に貢献する人も大事だ」という思いがあります。家守希望の手塚愛さんは「地域のためにというエネルギーは色々な形で点在していて、アドレスはそれを会員や家守など様々な立場で生かせる」と話していました。

一方、シニアや富裕層向けの住み放題を始めるのが全国渡り鳥生活倶楽部(東京・千代田)です。各地の別荘やマンションを借り上げ、会員に月単位で賃貸します。利用料は入会金のほか月額15万〜20万円程度とし、2020年夏ごろの本格スタートを予定しています。

不動産コンサルタントでもある牧野知弘社長が全国の自治体と協力して物件や体験メニューを開発してきました。例えば、大分県国東市では市長から海を望む古民家を紹介され、熊本の実業家からは阿蘇にある別荘を借ります。京都の町家や東京都心のタワーマンションもそろえ「1カ月でも暮らしてみたい」というニーズに応えます。

滞在中は地元のコンシェルジュが生活ルールを指南し、陶芸や収穫の手伝いといった暮らしの体験を案内します。自治体にとっては家具や食材に地場産品を使ってもらうことで、ファンづくりの機会になります。

アドレスも全国渡り鳥生活倶楽部も、泊まるのではなく、その地で暮らす住み放題サービスです。交通費が抑えられ、何度も訪れて第2、第3のふるさとづくりにつながるようなら、都市と地方をより深く結ぶ基盤になるかもしれません。

後藤伸啓・アドレスUXデザイン事業部長「地域とのつながり大切に」
多地域居住を手軽にする新サービスはどこまで広がるのか。アドレスの後藤伸啓UXデザイン事業部長に聞きました。

――定額で各地の賃貸住宅をシェアするという考え方はどこから生まれたのでしょうか。

「空き家問題、人口の都市集中を解消するため、シェアリング・エコノミーの考え方を活用できないかと考えたのがきっかけだ。都市部と地方が人口をシェアし、都市の人々が『関係人口』として地方に関わっていくことで地方が活性化していくのではないか。移住はハードルが高いが、その手前の『関係人口』として都市部の会員が地方に行くようにできればと考えた」

「関係人口創出や空き家問題というサービスの意味を知ってもらえると、自治体から声をかけてくれる例が結構ある。会員審査のある会員制で、同じ会員が何度も訪れることが多いため、受け入れる側の不安も小さい。会員には『自分の地元や田舎が全国各地にいくつもできるサービスだ』と訴えている」

――どんな物件を選んでいますか。

「ここにつくろうということはあまりない。人気のある場所より、空き家問題を抱えていたり、面白い魅力があるのに観光地として成り立っていないようなところだ。このサービスをきっかけに知られるようになるところがよい」

「最初の拠点に決まった南房総は、外房に比べると観光地としてはマイナーだ。しかし行ってみると、忍者体験やビワなど意外に面白いものがあり、釣りの人気スポットでもある。会員にならなければ行かなかったという声が多く聞かれる」

「大切にしているのは、会員にその土地に帰属するという気持ち、土地への思い入れが少しでも芽生えるようにすることだ。地域の活性化には、その地域を何とかしたいという意識の高い人は大事だが、その人だけが頑張っても地域は変わらない。アドレスの会員として訪れて、街の飲食店で食事をしたり、祭りに参加したりして、楽しんでいるうちに自然に地域に貢献しているという人も大事だ。意図しなくても自然に地域とつながる会員を増やしていきたい」

――物件には会員と地域をつなぐ「家守(やもり)」という管理人を置いています。

「家守は管理人であり、コミュニティー・マネジャーでもある。地域とつながるというこのサービスの根幹になる価値で、人選には力を入れている。地元に顔の利くオーナーや自治体に紹介してもらうのがスムーズだが、ウェブサイトでも250人ほど応募があった。『家守の学校』という研修会を2020年から始め、家守をやりながら地域おこしや地域経営などの活動をする人を育てていく」

――物件はどんどん増えているようです。

「20年1月に40拠点以上になる見通しだ。物件の選び方は(1)当社のウェブサイトに物件のオーナーが申し込み(2)提携する不動産仲介会社からの紹介(3)自治体からの紹介――の3つで、今のところオーナーと不動産会社の紹介が半々くらいだ。自治体からはまだ少ないが、今度、香川県の紹介で小豆島などに4物件がオープンする。宮崎県日南市の油津商店街の物件や熊本県宇城市なども自治体の紹介だ」

――会員はシェアハウスになじみのある若い世代が多いのでしょうか。

「そう思っていたが、意外に多様だ。最も多いのは20歳代で、次が30代と50代。60代の方もいる。首都圏の人がほとんどで、都内で会社員として働いている人が多い。20代、30代は都内に拠点になるシェアハウスを選ぶ傾向が多い。都内に自宅のある50代の会員は、平日だけ千葉などの各地の拠点を転々とし、週末に自宅に帰るという人もいる。使い方もいろいろだ」

「会員数の目標は30年に100万人。住宅ローンで持ち家を買うというのは経済成長期のモデルで、若い世代は身の丈に合わない借金を抱え、そのために働くという感覚はなくなっている。移動も定額であればハードルが下がり、多拠点で生活することがより現実的になるため、ANA、JR東日本と提携した。今後はカーシェアリングとも連携できれば面白い」

(編集委員 斉藤徹弥氏)

地方移住、主役は20〜40代に 生活の質求め新風 地方移住は新時代へ
「都会を離れ、豊かな自然に恵まれた地方で生活したい」「人間らしく生きていきたい」。こうした思いから、大都市から地方に移住する人が増えつつある。その中心も、かつての「定年移住」を希望する中高年層から、子育て家族など若年層に移ってきた。目立つのは、出身地とは縁がない地への「Iターン」や「Jターン」の動き。「経済的な豊かさよりも、人間的な豊かさ」に価値を求める人々が、過疎化が進んできた地域に新たな風を吹き込んでいる。

相談件数、年2万超 8年で10倍
一般に地方移住とは、定住目的で大都市部などから地方に移り住むことを指す。転勤など地方への単なる移住とは異なり、仕事や居住環境など従来のライフスタイルを大きく転換するケースが多い。

政府が大都市など特定地域への人口集中を緩和する方策として、「地方創生」を掲げたこともあって、「地方移住」への関心度は高まりつつある。しかし、若者の生活観、ライフスタイルの変化はそれより早く、「地方移住」の動きは先行して進んでいる。



高級車「レジェンド」にレベル3の自動運転機能を搭載する

ホンダは2020年夏をメドに、条件付きで運転を自動化する「レベル3」の自動運転車を発売する。一定の条件下であれば緊急時を除きシステムが運転し、乗車している人は前方を向かずスマートフォンの操作やテレビの視聴などが可能になる。「レベル3」を市販するのは日本の自動車メーカーでは初めてだ。自動運転車は当初の価格が割高になり、量産で下がるかが普及のカギとなる。

政府は20年にレベル3の自動運転を実用目標を掲げる。道路交通法と道路運送車両法の改正を終えており、20年春の施行後は公道での自動運転が可能になる。ホンダは法施行にあわせ、先行する計画だ。



ホンダは20年夏に一部改良する高級車「レジェンド」の一部モデルにレベル3の技術を搭載する。まず業界団体が20年7月に都内で予定する自動運転の実証実験で走行し、その後販売する。

ホンダの自動運転は高速道路の渋滞時にシステムが全ての運転をする。渋滞が解消されるなどして自動運転の条件から外れると、警告灯やシートベルトで振動を与えるなどしてドライバーに運転の交代を要請する。高速の通常走行時や一般道では、高度な運転支援の「レベル2」になる。

販売価格は1000万円近くになる可能性がある。現行レジェンドは720万円からで、レベル3の車は大量のセンサー類を搭載し、システムを2重化して信頼性を高めるためコストは高くなる。19年に日産自動車が発売したレベル2搭載の「スカイライン」は通常モデルより100万円以上高かった。ホンダの自動運転の搭載モデルはスカイライン以上の上乗せになる見通しだ。

自動運転車は割高になるため、すぐに普及するかは見通せない。ホンダは初期の段階では法人向けのリース販売として始めることも検討する。ホンダは将来は高級車以外への搭載も検討するが、まだ高額なセンサーなどの中核部品の価格が下がることが前提となる。

自動運転の技術は5段階で区分され、実用化されたレベル2までは運転支援の位置付けだ。ハンドルやアクセルを自動で操作しても、運転手は監視のため前方から目を離すことは認められていない。一方でレベル3は運転の主体がシステムとなり前方の監視が不要となる。

世界でも自動運転を巡る法整備は進む。米国は州ごとにルールがつくられており、連邦法案は審議中だ。ドイツでは17年に公道でのレベル3が可能になる法改正がされた。ただ、欧州連合(EU)で自動運転車を認証するルール作りが途上のためドイツ国内での走行はできない。日本は20年の法施行でレベル3の実用化で先行する形になる。

自動運転を巡る姿勢は世界の車メーカーで分かれる。独高級車大手のアウディは17年にレベル3の技術を市販車に搭載するとしたが、各地の法整備が追いつかず実際は機能を抑えて販売している。日本の法施行でレベル3が可能になっても、すぐに日本で対応モデルを投入しないもようだ。

米ゼネラル・モーターズ(GM)は日産と同様にレベル2までは実用化している。限定条件で人の操作が一切不要な「レベル4」の自動運転車を19年に実用化する方針だったが安全性の観点から先送りした。米フォード・モーターはレベル3を飛ばし、一気に「レベル4」の自動運転車を21年に実用化する方針だ。

静岡市清水区はサッカーのほか、漫画・アニメ「ちびまる子ちゃん」の舞台として知られる。清水港は木材の輸入で栄え、その加工業も古くから盛んだ。北川木材工業は窓枠やドアなど住宅建材のOEM(相手先ブランドによる生産)を主力とする。曽祖父が創業者である取締役の北川信央は33歳の若さで生産現場を切り盛りする。

北川はいま、静岡市内で働き方改革の旗手として注目を浴びつつある。4月に市内の中心部で、社外の働き手も利用できる、託児所を併設した多機能拠点「いちぼし堂」を開いたためだ。ここにたどり着くまでの人生は波乱続きだった。

■波乱続きの人生

「最初に人生観を変えた出来事は高校2年生の時だった」。大好きなサッカーによるけがで4〜5カ月間入院した。その間にうっすらと「将来学校をつくりたい」という願望が浮かんだ。自由放任で育ったせいか長期入院でも気持ちはすさまなかったという。「母親は勉強しろと一言も言わなかった。それが良かったんでしょうね。そんな教育方針を伝えたかったというのがその時の思いでした」

学校をつくるにはお金。ビジネスにも関われる公認会計士になろうと京都大学経済学部に入学した。だが、生来の気ままさと、京大特有の自由さは共鳴しないわけがない。「キャンパスライフを謳歌してしまいました」

■父の急逝、「継ぐより社会勉強を」

北川木材工業の作業場(静岡市清水区)

再び大きな転機が訪れる。大学2年の時、父親が倒れた。がんだった。「あんなに頑丈だった父親が見る見る痩せていった」。3カ月の闘病後、この世を去った。悲しみもつかの間、社長を誰が継ぐか問題になった。北川もあり得たが、母の攝子(せつこ)が止めた。「卒業しなさい、そして社会勉強しなさい」。その母が社長を継ぎ、現在も務める。

会計士は大学5年目で合格。京大は通算6年通って卒業し、大手監査法人に入った。英国や米国で磨いた語学を生かし、米国で上場する日本企業や海外企業の監査を任された。スーツ姿で東京・大手町のビジネス街を闊歩(かっぽ)していた。

■あっさり会計士捨てて家業に

実務経験を積み、いよいよ公認会計士として登録し、本格的に仕事を始めようと腕まくりする3年後。北川はあっさりその道を放り投げ、地元・静岡に戻った。

「地方にはロマンがあると思った。ポテンシャルがいっぱいあるんじゃないかと」。静岡は富士山や駿河湾など自然が豊かで、日本のほぼ真ん中に位置し、歴史に名を刻んだ今川家や徳川家にも縁が深い。東京では生まれないものが生まれるのではないか。そんな思いを抱きながら家業に入った。27歳だった。

■効率化に古株社員が離反

高齢者でも働きやすい作業環境を整えた

実質的な工場長となったが、旧態依然とした現場にがくぜんとした。効率化しようとすると、古くからの社員が離反し、何人もが去って行った。人手不足で納期に間に合わない緊張が高まり、社員同士のもめ事も増した。「社内の雰囲気は悪くなっていった」

解決策として新たな働き手を呼び込んだ。シニアだ。体力的に難しい作業は簡略化するなど、高齢者が働きやすい環境を整えた。熟練していなくても可能な作業にすれば若者もやりやすくなり、何より自信につながる。自然と働きやすくなり、従業員が定着するようになっていった。

■教訓生かし独自の「居場所」



「やっぱり辞められるのはショック。だからそういうことがないようにしたかった」。北川が次に目指したのが、誰もが利用できる「居場所づくり」だった。「『居場所』って、いい言葉じゃないですか。多層的で、多重的な価値観が出合える場所ができれば静岡にも魅力が出てくると思ったんです」

JR静岡駅近くの土地を買い、2階にサテライトオフィス、3階に東京から働きに来る人の一時居住施設、そして1階には託児所を併設した施設「いちぼし堂」を開業した。

北川木材工業の社員はもちろん、他社やフリーランスでも使える。託児所に預けて働くことが1つの建物で完結する。自社の社員7人、外部の契約者10〜20人が利用する。「いちぼし」は北川木材工業の屋号だ。「オンリーワン」の意味も込めた。

契約者の木下聡はNPOなどに資金調達について助言するファンドレイザーの仕事をしている。妻が育休から復帰したのを機に会社を辞め、フリーランスになった。自宅で仕事をするほか、2歳の子供を1階の託児所に預けていちぼし堂で働くこともある。ある日、いちぼし堂で子育て支援のNPOを運営する助産師、近藤亜美と打ち合わせ中だった。近藤は新たな支援施設を開くための資金調達について木下にアドバイスを求めた。

■協業支援へ縁結びも

木下は「家にこもりがちなフリーランスが、外に出てほかの人とつながるチャネルを増やせる」といちぼし堂を評する。まさに北川が目指す「居場所」としての使い方を実践する。北川はいちぼし堂の利用者に細やかに人をつなぐなど、事業機会を得られるように心を配る。東京の企業の社員が3階に滞在しつつ、2階で地元のフリーランスと協業する、といった仕組みも提案している。

近藤は母親支援の立場から「子供を育てながらやりたいことが実現できる場所。何かをやりたい人が、勇気を出して自分を追い込むことができる」と話す。

北川木材工業にはママ社員が多い。夫の転勤に付いていく場合もある。だが、富山や東京に引っ越しした女性社員がテレワークで現在も働いている。業務を見直して場所を問わず働いてもらえるようにした。「社員は会社の理念に共感してくれている人だから続けてもらいたい。それなら人に合わせて仕事を決めるべきではないか」。そのためには日ごろから業務内容を整理しておく必要がある。業務の透明性が高まる副産物も得られる。

■静岡を越境者の受け皿に

北川が働き方にこだわる根幹には地元・静岡の活性化がある。多様性を育み、交わる場をつくれば、人は創造力が磨かれる。そんな場所がある街なら「誰かに紹介したくなる」。「誰しもが、いまいる環境から(物理的にも心理的にも)越境したいと考えていると思うんです。東京から遠くない静岡はそんな人の受け皿になれるはず。そのための居場所になればいいなと思っています」。離れて働けるだけではなく、人のつながりを生むこともテレワークがもたらす効用だ。

=敬称略、つづく

(秋山文人氏)



10月、アフリカのウガンダから日本に来た友人は、どこに行ってもきれいに舗装された道路や歩道を見て目を輝かせていた。「こんなにスムーズな地面だったら、松葉杖でつまずく心配も減るし、車いすに乗った人も自由にどこにでもいける。障害があっても可能性が広がっていいわね」

同じ時期、2週間東京に滞在したアメリカ人は、違う感想を持っていた。「東京には障害のある人って生活していないの?」。観光地以外にも積極的に足を運び、スーパーで買い物をしたり、銭湯に行ったり、ゴミ拾いのボランティアにも参加したそうだ。どこに行っても人は大勢いるのに、障害があると見える人に出会わなかったのに違和感を抱いたという。

ハードのバリアは少なくなっているのに、そこに障害のある人たちが溶け込めていない。2人のコメントは、日本社会の現状を示唆しているのではないだろうか。

国によって「障害者」の定義は異なるものの、日本では人口の約7%が障害者手帳を持っている。手帳のない人もいるため、実際にはもっと多くの障害者がいる。彼らの社会参画を促すためには、施設や設備の充実だけでなく、そこを利用するすべての人たちの理解やモラルが問われると思うのだが、日本ではどうだろう。

例えばエレベーター。車いすやベビーカー、高齢者、妊婦、子連れの人が優先的に乗れるようにと注意書きがされていることが多いけれど、車いすユーザーの私が優先的に乗せてもらったことは、ほとんどない。また、駐車場で車いす用とマークがついたスペースを、止める権利のない人が平気で利用するケースは減らない。

不正利用に対する罰金制度がないから、現状が変わらないと言った人がいる。でもこうした行為は、ルールや罰金ではなく、正しい知識を浸透させ、人々の意識が変わることで、恥ずべき行為になるはずだ。

Fine(罰金)がなくても、Fineな(洗練された)社会を目指す。お金では買えない豊かさが実感できる国になってほしい。


マセソン美季
1973年生まれ。大学1年時に交通事故で車いす生活に。98年長野パラリンピックのアイススレッジ・スピードレースで金メダル3個、銀メダル1個を獲得。カナダのアイススレッジホッケー選手と結婚し、カナダ在住。2016年から日本財団パラリンピックサポートセンター勤務。国際パラリンピック委員会(IPC)教育委員も務める。

オリパラ開催地「東京」 独自の文化で魅力発信


音楽に合わせて光るバルーンを手に光のアートを楽しむ(11月16日、東京都港区の増上寺)

五輪・パラリンピックは文化の祭典でもある。開幕まで4年間続く文化プログラムはいよいよ佳境に入る。「文化で成功した」といわれる2012年のロンドン大会のように東京が高評価を得るには何が必要か。アートや演劇など洗練された西洋文化が根付くロンドンとは違い、地域芸能やポップカルチャーなど東京ならではの魅力を世界に届けようとしている。

■地域芸能やポップカルチャー

「ねえママ、あっちもピカピカだよ」――。東京都港区にある徳川家の菩提寺、浄土宗大本山増上寺。11月の土曜の夜に境内が約1千個の光で照らされた。

これは東京都が五輪の機運を醸成するために開いた文化プログラム「TokyoTokyoフェスティバル」の中核事業「スペシャル13」のひとつだ。約1千組の参加者の持つ風船型デバイスが参加者それぞれの位置を検知し、それに応じ何色にも輝く。

企画したのはメディアアーティスト集団のライゾマティクス(東京・渋谷)だ。2016年のリオ五輪閉会式で東京五輪を予告するパフォーマンスを手掛けたことでも知られる。

寒い夜にもかかわらず、会場は子ども連れも多かった。都内の保育園に通う5歳の照屋紺介くんは風船型デバイスに興味津々だ。風船型デバイスを地面に置いてみたり空に向けて高く掲げてみたり、大はしゃぎ。「いっぱいピカピカ光って楽しかった」

20年のオリンピックイヤーに行われる中核事業も多彩だ。約10キロメートルにわたり隅田川を舞台に見立てた音楽イベント「隅田川怒濤(どとう)」が4月にある。6月には7人の建築家らが国立競技場周辺で7つのパビリオンを披露する。

6〜9月に予定する「まさゆめ」も注目を集めそうだ。実在の人物の顔を6〜7階建てのビルくらいある大きなバルーンにして東京の空に浮かべる。それをスマートフォンで撮影してSNS(交流サイト)で共有すれば、誰もがプログラムの一員になれる。

スポーツの祭典としての五輪は一握りの競技者だけが参加できるのに対し、文化の祭典は誰もが関われる。五輪憲章は選手村の開村期間中に文化プログラムを催すよう義務付けているが、12年のロンドン大会で規模が拡大。より多くの人を五輪に巻き込むため開催都市のプライドをかけたイベントとなりつつある。

■文化の成熟度示す

というのも、過去に開催経験のある成熟都市が再び開催都市になる機会が増えているためだ。初めて開催する新興都市には1964年の東京の新幹線や首都高速道路のように五輪のレガシー(遺産)が明確だ。しかし成熟都市にはインフラが整い「文化の成熟度を示してブランド力を高めることしかない」と文化研究家の太下義之氏は話す。

特に12年のロンドン大会で世界を驚かせたのが文化プログラム「アンリミテッド」だ。車いすの女性が水中でダンスを披露するという誰も見たことのない演出で、障害者による表現の可能性を広げたと称賛された。障害者や移民など少数派をアートや演劇を通じて社会に包み込んできた都市の実力がにじみ出た。

では東京の文化の成熟度を示すものとは何だろうか。太下氏は「高齢者の可能性を広げることではないか」と指摘する。世界の大都市でこれから最も早く高齢化が進むことになる東京が明るい高齢者の未来を提示できれば世界が称賛するレガシーとなる。「CHOJU(長寿)を世界語に」と目指す東京都の小池百合子知事にとっても力の見せどころとなる。

■文化の祭典、全国で展開

「おれも踊りてええええ」――。12月8日、東京都が岡山県倉敷市で開いた文化プログラム「東京キャラバンin岡山」は市井の人々を描いた1時間弱の芝居となった。

インタビューで集めた実話をもとにした群像劇で、主役級の男性は岡山の地域芸能である備中神楽を生活のためにあきらめて東京のホテルに就職する。ホテルマンとして実力をつけた男性だが、備中神楽が忘れられない。ついには岡山物産展のマネキンが昔の踊り仲間に見え帰郷を決意するという物語だ。



東京キャラバンはその名の通り一団を組んで全国を巡業してきた。五輪の機運を東京から全国各地へと広めようとする試みだ。

都内で活躍する俳優や音楽家、ダンサーらを連れ、全国各地の地域芸能と新たなパフォーマンスを生み出す。これまで東北や四国、九州などで展開し、仕上がりはパレードのようだったりサーカスのようだったり音楽祭のようだったり様々だ。年末年始の北海道を最後に地方巡業を終える。20年は全国で作り上げたパフォーマンスの粋を集め都内で披露する。

文化プログラムを通じて全国に五輪の機運を広めようとしているのは東京都だけではない。大会組織委員会も東北復興をテーマにプログラムを準備中だ。東京芸術大学の箭内道彦教授をプロデューサーに招き、巨大人形「モッコ」を作って東北各地を巡る。復興への思いを集めていき、東京に届けるという。

政府は国際観光旅客税(出国税)を財源に助成する「日本博」を展開している。北海道では20年春開館する民族共生象徴空間(ウポポイ)などを拠点にアイヌ文化の魅力を発信するプロジェクトが進む。沖縄県では琉球王朝時代から発展してきた伝統芸能「組踊」の公演を予定。京都市では絵画や彫刻、工芸など京都ゆかりの国宝を通じて日本人の自然への畏敬や美意識を世界に発信する。

■観光振興の絶好機

文化庁によると、こうした文化プログラムは11月時点で累計2万件を超えた。東京だけでなく全国各地で実施・計画されており、日本博を担当する文化庁の坪田知広参事官は「文化観光を振興する、絶好のチャンスだ」と息巻く。

ただ「大会本番まで1年を切ったのに思ったほど盛り上がっていない」という声もある。その批判の矛先は分かりにくさに向く。国と都、組織委が、それぞれ別々に「日本博」「TokyoTokyoフェスティバル」「東京2020NIPPONフェスティバル」と似たような名前の事業を展開しているためだ。

一方で「できるだけ多くの人に全国各地で楽しんでもらうには総力を挙げるのが当然だ」とする意見もある。雑多か多彩か――。その評価は文化プログラムを通じて世界に日本を発信しようとする参加者次第なのかもしれない。あなたも一緒に踊りませんか。

(桜井佑介氏)

「年収1000万円で入社しませんか」。最近新卒採用でこうした高額な収入をうたう会社が増えてきた。一部の優秀学生にしか関係ない話と捉えられるかもしれないが、実はそうではない。日本企業で働こうとする就活生、いや既に働いているビジネスパーソン全員にあることを投げかけているのだ。就活探偵団が調べてみた。



今年、回転ずし大手のくら寿司が打ち出した「エグゼクティブ新卒採用」。幹部候補生には新卒でありながら年収1000万円を提示したことで、大きな注目を集めた。同社の有価証券報告書によると、従業員の平均年齢は30.4歳、平均年間給与は約450万円。年収1000万円はこの2倍以上で、外食産業では破格の待遇だ。

■有名大から多数応募

6月から応募を受け付けこれまで約200人の応募があったという。その中には東京大や早稲田大など「これまで少なかった有名大も多数あった」(岡本浩之執行役員)。書類審査やウェブ選考でふるいにかけたほか、途中で辞退する学生もいて、実際に1次選考までたどり着いたのは20人。

就活
応募要件は英語能力テスト「TOEIC」のスコアが800以上。会計知識も必要だという。面接では「発想力や独創力を深掘りして聞いた」(岡本執行役員)。数人に内定を出したという。

同社では店舗の海外展開を強化していてグローバルに働ける人材を欲している。これまでは優秀な店長経験者を異動させたり、中途採用で外部から調達したりして対応してきたが限界があった。

幹部候補生は入社後、店舗に配属される。その後、本社の広報や宣伝などの専門部署でも経験を積み、2〜3年後に海外展開などを手がける花形部署の企画部門に配属されることを目指す。

これとは別に2020年春入社では通常ルートで約200人が入社する。年収に差があると一般で入った同期社員からは妬まれそうだが「妬みをはねのけるような鋼のメンタルを持つような人でなくてはグローバル競争に勝ち抜けない」(岡本執行役員)と話す。



国税庁によると、日本のビジネスパーソンの平均年収は約440万円。年収1000万円を超える人はわずか5%しかいない。日本企業は年功序列が基本のため、新卒学生が含まれる20〜24歳に絞ると267万円にとどまる。

ディスコが学生向けに実施した調査によると、就職先企業を選ぶ際に重視する点(複数回答)として「給与・待遇が良い」を挙げたのは44%と「将来性がある」(48%)に次いで高かった。学生を取材すると「将来、年金がきちんともらえるか不安だから、できるだけ給与の高い会社に入りたい」(私大男子)といった意見が聞かれる。

こうした声に応えるかのように、優秀な学生を確保しようと高額な待遇を打ち出す動きが広がっている。NECはIT人材を確保する目的で、新卒でも学生時代に著名な学会での論文発表などの実績があれば1000万円超の報酬を支給する。

眼鏡専門店のオンデーズ(東京・品川)は一律だった初任給を廃止し、学生時代の接客アルバイトの実績など個々の入社時点の能力や実績を反映させる新たな制度を20年4月に導入。年収は最大で600万円を提示する。20年卒採用では2〜5人が対象になる見通し。

誰もがうらやむ特別枠採用。実際入社する人はどんな人なのか。いち早く制度を取り入れたヤフーを訪ねた。

■常にプレッシャー

田中英太さん(仮名)は「エンジニアスペシャリストコース」という技術職の特別枠で17年に新卒で入社した。年収は一般社員の1.5倍の650万円以上。現在はユーザーのデータを扱う専門部署に所属する。

特別枠の応募資格はプログラミング競技大会で一定の成績を収めていたり、自然言語処理などの分野で論文の発表経験があること。田中さんは国立大大学院出身で、在学中は複数の論文を発表したり、関連イベントに登壇したりして、プログラミングの世界ではちょっとした有名人だった。

就活では海外企業からの誘いもあったが、「ワークライフバランスを重視したい」との思いからヤフーを選択した。

能力が高く評価された故の悩みもあるという。入社後すぐに、先輩が1カ月くらいかかって取り組んでもできなかった課題をやるよう命じられた。「上司の期待値が高くて常にプレッシャーがありますよ」と吐露する。

こうした厚待遇をうたう募集。実は単に学生を「釣る」だけが目的ではない。

日本企業では年功序列や終身雇用を前提とした「メンバーシップ型雇用」が主流だ。職務や勤務地が限定されず、新卒一括採用で大量に人材を獲得。会社が人材を大事に育てる仕組みだ。社員が会社へ忠誠を誓ってくれるため、会社にとっても都合が良かった。

しかし、デジタル化やグローバル化の進展で企業はイノベーションを起こせるような専門性のある人材を求めている。「大学を卒業したばかりの若者をゆっくり育てる時間はない」(大手メーカー)からだ。会社は仕事内容に応じたポストを用意し、優秀な即戦力のある人材を新卒や中途を問わず選別し採用する「ジョブ型雇用」へのシフトが迫られている。能力ある者は評価するが、そうでない者には退場を促す――。「新卒1000万円採用」はこうした日本企業の転換の象徴なのかもしれない。

トヨタ自動車は総合職の採用に占める中途採用の割合を中長期的に5割とすることを決めた。新卒に偏った採用は曲がり角に来ているのは間違いない。企業の人事に詳しいデロイトトーマツグループの古沢哲也パートナーは「近いうち、日本の人事の仕組みは劇的に変わるだろう」と予測する。

平均年収が1000万円を超えるある大手商社に勤務する20代の男性社員は安住していない。将来は留学して経営学修士号(MBA)をとることを視野に入れているという。

「在学中はもちろん、社会人になってからも勉強をし続けなければ、必要とされる人材にはなれない」。自分に「エンプロイアビリティー」(雇われる力)はあるだろうか。そんな点に注目しながら就活を進めてほしい。

(企業報道部 鈴木洋介氏)

モノやサービスなど日本の価格の安さが鮮明になってきた。世界6都市で展開するディズニーランドの入場券は日本が最安値で米カリフォルニア州の約半額。100円均一ショップ「ダイソー」のバンコクでの店頭価格は円換算で200円を超す。割安感は訪日客を増やしたが、根底には世界と比べて伸び悩む賃金が物価の低迷を招く負の循環がある。安いニッポンは少しずつ貧しくなっている日本の現実も映す。

「日本製の家電や化粧品は安くてお買い得」。中国から銀座を訪れた李さんは話す。18年の訪日外国人の旅行消費額は4兆5189億円で、13年比で3倍に増えた。

■カリフォルニアの半額
海外から見た日本のモノやサービスの割安さが際立っている。



日本経済新聞は世界のディズニーランドの大人1日券(当日券、1パークのみ、10月31日時点)の円換算価格を調べた。東京は7500円でカリフォルニア(1万3934円)の半額ほど。パリ(1万1365円)や上海(8824円)と比べても安さは群を抜く。

ディズニーランドは各拠点で運営主体が異なる。東京ディズニーランドを運営するオリエンタルランドは「定期的に入場客から価格感度を調査している」という。日本の実情に沿い「パークの価値に合わせた価格にしている」との説明だ。

同じ現象はディズニーランド以外でも顕著だ。

■100円ショップ、タイなら214円
海外26カ国・地域でダイソーを展開する大創産業(広島県東広島市)。日本では「100円ショップ」として知られるが、同じ商品が米国では約162円、ブラジルでは215円、タイでは214円だ。中国で生産した商品も多いが、その中国でも153円する。

タイのダイソーで売られる商品の価格は円換算で日本の倍

ホテルも安い。12月13日から1泊大人2人でロンドンの五つ星ホテルを予約しようとすると、キングベッド1つの50平方メートルの部屋で約17万円だった。東京だと同じ条件でも、約7万円超で泊まることができる。

■「アマゾンプライム」も米の半値以下
生活に身近になったサービスのサブスクリプション(定額課金)でも同様の傾向が見られる。米ネット通販最大手のアマゾン・ドット・コムは、動画や音楽配信、配送料などが無料になる有料「プライム会員」の年会費を米国で約1万2900円で提供。日本は今年4月に3900円から4900円に値上げしたが、それでも大幅に安い。

■円安だけでは説明付かず
こうした価格差は日本の為替レートが低く評価されすぎていることが理由の一つにあるとされてきた。

例えばハンバーガー価格の違いから為替水準を探る英エコノミスト誌の「ビッグマック指数」。7月時点の計算によると、日本で390円のビッグマックは米国では5.74ドル。同じモノの価格は世界中どこでも同じと仮定すると、ここからはじき出す為替レートは1ドル=67.94円となる。

ただ、実際のレートは1ドル=110円前後で30%強円安だ。その分円を持つ人にとってはドルで売られるビッグマックが高く感じられる。


ディズニーランドやダイソーの価格も同様に指数化して実際のレートと比べると対米ドルやタイバーツで46〜50%強の円安となり割高感が増す。

■賃金停滞が物価も引き下げ
だが第一生命経済研究所の永浜利広首席エコノミストは「今の価格差は為替では説明がつかない状況にある」と話す。足元では企業の賃上げが鈍り、働く人の消費意欲が高まらない。その結果、物価低迷が続き景気も盛り上がらない「負の循環」(同)が日本の購買力を落ち込ませているからだ。

経済協力開発機構(OECD)などによると、1997年の実質賃金を100とすると、2018年の日本は90.1と減少が続く。海外は米国が116、英国は127.2など増加傾向にある。

■世界の成長に追いつけず



大企業は賃金増には慎重だ。トヨタ自動車は19年の春季労使交渉で一律賃上げの見直しを決めた。製造業は米中貿易戦争などで業績が悪化傾向にあり、20年交渉も「一律賃上げは難しい」(電機大手)との声が漏れる。

一方、タイでは上昇する賃金や店舗賃料分がダイソー製品の価格に転嫁されている。それでも購買力も高まっている同国中間層の負担感は少ない。安いニッポンには、世界の成長についていけない日本の停滞もにじむ

リクルートキャリアが就活生の内定辞退率などを推定し、40社弱に売っていた「リクナビ問題」。新たな問題の指摘もあり、データ活用に二の足を踏む企業が今も少なくない。この問題をどう考えるべきか。データの専門家が集うデータサイエンティスト協会の草野隆史代表理事が重い口を開いた。

――リクナビ問題について、どう捉えているか。

草野隆史氏(以下、草野氏) 個人的な見解になるが、今回の件が業界に及ぼすインパクトは、2013年に起きたJR東日本によるSuicaの利用履歴データを外部提供した一件以上に大きいのではないか。リクナビの件の発覚後、利用者から同意を得る手続きが妥当だったかなどが議論されていたが、問題の本質はそこではない。パーソナルデータを扱う事業者の倫理観や知識、それが問われている。これがリクナビの件とJR東日本の件との、大きな違いだ。

――1社でのデータ活用の段階から進み、例えばセブン&アイ・ホールディングスの「セブン&アイ・データラボ」のように、複数企業が匿名加工データを活用する枠組みができつつあった。だがリクナビ問題が発生し、さらに新たな問題が指摘されたりして、3カ月たった今でも、皆、「物言えば唇寒し」だ。

草野氏 確かに事業会社は事件の影響を受けて、データの利活用を進めるモチベーション維持が難しくなっているようだ。データ活用には、消費者などの理解を得ることが不可欠だが、まだそうした環境にない。

――協会は本件の当事者ではないが、(リクナビを運営している)リクルートキャリアは協会の賛助会員だ。協会内部で議論したりしているのか。

草野氏 公式な議論はしていない。協会のミッションは、一義的にはデータサイエンティストという新しい職種の健全な発展を促すことだ。そして二義的にデータ活用の促進がある。(協会内部で)この件について議論をする場を設けたい気持ちはあるが、もう少し事態が落ち着いてからでなければ、実際には難しい。冷静な議論が必要だからだ。

ただ20年には再び個人情報保護法の改正が予定されている。15年の改正よりも、「後退した」内容になる揺り戻しの可能性を懸念している。

■結果をねじ曲げた報告でも、信じるしかない

――データサイエンティストの倫理観が問われているというが、そもそも、あるべき姿や倫理規程のようなものを定めているのか。

草野氏 今はないが、個人的には(倫理規定の整備などが)必要だと考えている。ビッグデータは、専門知識を持った人間が処理をしないと、データの意味や内容を(一般の人は)理解できない。万が一、データサイエンティストが分析結果をねじ曲げて報告しても、(分析の)依頼者はその報告を信じるしかない。

逆に、依頼者が想定しているような分析結果が出なくても、データサイエンティストはそれを率直に、ありのままに説明する責任がある。こうした意味で高い倫理観が求められる仕事だ。

――実際のところ、どれだけのデータサイエンティストが、そうした(高い倫理観が必要だという)意識を持っているのか。

草野氏 私はデータサイエンティストであれば当然全員が(高い倫理観を)持っている、それが必要なことを理解していると思っていた。だが今回の件を受けて、必ずしも、そうとは言い切れないと思うようになった。データサイエンティストが持つべき倫理観とはどのようなものか。いろいろな人と、改めて議論をする必要があると思っている。

――データの利活用に逆風が吹く一方で、信用スコアや情報銀行など、パーソナルデータを利活用する新しいビジネスが登場している。どう見ているか。

草野氏 各事業者には、消費者の利益を重視するスタンスを明確にして、事業を進めてほしい。例えば、信用スコアは中国が日本よりも先行し普及しているが、これは世間が考えているように、中国が管理社会だから、だけではない。信用スコアが中国の消費者にとって便利な仕組みだからだ。日本でも消費者の利益、利便性を明確にすれば、こうした新しい仕組みも普及するだろう。

――逆風が吹いているとはいえ、データ利活用を前提にした企業変革、いわゆるデジタル・トランスフォーメーション(DX)への関心は高い。データサイエンティストの求人数もうなぎ登りに増えているようだ。

草野氏 データサイエンティストを採用するだけで、ビジネスが変わると考えているなら、それは誤解だ。分析可能なデータがあって、分析した結果、何らかの知見が出てきたとしても、それを行動、アクションにつなげなければ意味がない。組織にデータ分析の結果を生かす文化がなければ、データサイエンティストを採用しても、活躍はできないだろう。はやりのキーワードをつまみぐいしても意味はない。日本の経営者が本当に自社を変革したいなら、ビジネスとIT(情報技術)について、自らが深く理解することが必要だ。

――ところで、社長を務めるブレインパッドでは、この件に関連して何か議論をしたのか。

草野氏 ブレインパッドが提供するプライベートデータマネージメントプラットフォーム(DMP)「Rtoaster(アールトースター)」で取得、利用するデータは、顧客企業のユーザーのサイト行動を委託されて集めているもので、個人情報の第三者提供などには該当しない。ただ、ブラウザーのCookie(クッキー)経由でウェブサイトやモバイルアプリにアクセスした個人の行動トラッキングデータを当社のサーバに預かって、顧客の指示に基づいて、それを分析したり、他のデータと連携させたりすることはある。

だからリクナビの件を受けて、改めてこうした作業の手続きや内容に問題がないか。もし顧客から倫理的に問題がある指示をされた時に、ノーと言うことができるか。ノーと言うために十分な知識を持ち説明ができるのか。それを確認する必要があると、社員に伝えた。

ブレインパッドは顧客からデータを預かるが、多くの場合、個人情報は含まれておらず、その活用も顧客の社内に閉じるケースがほとんどだ。リクナビのように、預かったデータを加工して第三者に提供することはない。ただ、極端な場合には、サンプル数が1件だけの(=個人を特定できるような)データも見られてしまうのが、データサイエンティストの仕事。

最新の法制度を理解するのは当然だが、それ以上に、我々の倫理観が問われるケースがある。データを詳細に深く理解できるデータサイエンティストと一般的な知識しか持たない経営者などには、情報の非対称性がある。それを認識したうえで、データサイエンティストは高い倫理観と十分な知識を持って、データ活用に携わる必要があるだろう。

2025年には労働力人口の約6割が45歳以上になる。バブル期の大量採用などで中高年社員の層は厚く、50歳を過ぎて管理職になれない人材がこれまで以上に出てきている。日清食品は再チャレンジの機会を設け、太陽生命保険は役職定年を廃止するなど企業は社員にやる気を持たせる手を尽くす。中高年は企業が必要とする人材への再生が求められる。生産性向上に向けた企業と中高年社員双方の挑戦をデジタル化が加速する。



日本では役職定年制度を設けている企業が多く、経団連の調査では約半数が導入している。50歳代に役職を解かれると給与が大幅に下がり、仕事に対するモチベーションが低下しやすい。定年後研究所(東京・港)とニッセイ基礎研究所による共同研究の試算では、50歳代が役職定年でやる気を失うために生じる経済的な損失は、年に約1兆5000億円にのぼる。中高年の活性化は日本経済の浮沈を左右する課題だ。

54歳で営業所長

「会社にまた認めてもらえた。期待に応えたい」。日清食品に勤める54歳(当時)のAさんは同社が今年導入した「リバイバル」制度を活用し、営業所の所長に登用された。年収は200万円アップし、1000万円を超えた。

同社では50歳になると管理職への昇格停止と公募ポストへの挑戦権を失う。若手のチャンスは広がるが「管理職になれなかった社員は給料もモチベーションも低下する」(人事部)。新制度では営業部門の50歳以上の社員を対象にキャリアの棚卸しをし、自らの能力と目標をはっきりさせる講義や役員面接を用意したところ、5人中2人が新たな職場を得た。今後は対象部門を広げていく。



オリックスでは昨年、45歳以上の部長層以下を対象に別部門への異動に挑戦できるフリーエージェント(FA)制度を始めた。33人が手を挙げ、11人がヘルスケア事業部の中国向け事業などで活躍している。

労働力の6割に

太陽生命保険は定年を60歳から65歳に延長したのを機に、57歳だった役職定年も廃した。やる気や能力のある社員を年齢では区切らないという考えも出てきている。


社内の中高年は急増している。終身雇用の宿命だが、バブル期の大量採用によっていびつさが増している。みずほ総合研究所は、労働力人口における45歳以上の割合は15年にすでに5割を超え、25年には6割に迫ると試算している。

新卒で一括採用し、社内で人材を育成する終身雇用や年功序列という日本型の雇用制度の弊害が大量の「ヒラ中高年」を生んでいる。一方で若手の採用は厳しさを増している。リクルートキャリアによると、20年卒の採用では「採用できる人数が減る」企業は「増える」を上回り、20%に上った。急進するデジタル化のなか、企業が渇望するのはITや人工知能(AI)人材だ。

若手はとれず、中高年は社内に滞留する。終身雇用の弊害を逆手に取り、中高年をIT人材に活用するくらいの挑戦が不可欠だ。

経済協力開発機構(OECD)は、大学入学者のうち25歳以上の比率が日本は2%とOECD平均の約2割を大きく下回っていると指摘した。一方、日本総合研究所は就業中の65歳以上のシニア社員は学び直しで、年間約80万円の収入増につながると試算する。中高年への教育投資は生産性を向上させる一つの解といえる。

東北大学大学院は三菱ふそうトラック・バスと組み、企業が求める人材に必要な教育プログラムの開発を目指す。終身雇用に甘え、自らの能力水準を把握していない中高年は多い。

日本総研の安井洋輔主任研究員は、学び直しで培ってきた専門スキルに新たな能力を加えれば「社内の再配置や他社への転職など人材の流動性が高まりジョブ型に近い雇用が可能になる」と指摘する。

キャリア研修事業のライフワークス(東京・港)の梅本郁子社長は「ボリュームの多い中高年層の活躍は企業の生き残りや成長につながる」と話す。中高年になっても常に学び直し、新たなスキルを取り込む。企業も「今更無理だ」と決めつけず、中高年を支援する――。生産性を高めるためのそれぞれの挑戦は始まったばかりだ。

(京塚環氏、藤本秀文氏)



政府・与党は株や投資信託の運用益を非課税にする少額投資非課税制度(NISA)を2024年に刷新する。中長期の運用に適した低リスクの商品に優先して投資される仕組みにして、個人に資産形成を促す。20年度税制改正の議論では大企業がスタートアップ企業に投資する際の減税措置も固まった。個人と企業の資金を動かし、日本経済の活性化につなげる。



現在のNISAは年120万円を投資限度額として、配当や分配金、譲渡益などの運用益にかかる約20%の税が5年間、非課税になる制度だ。23年末に投資期限を迎える。

政府・与党は投資期限を28年まで5年延長した上で、新たな制度に移行させる。与党の税制調査会での議論を踏まえて、12月中旬に決める20年度の税制改正大綱に盛り込む。

新たなNISAはリスクの低い投資信託などに対象を限定した積立枠(1階)と、従来通り上場株式などにも投資できる枠(2階)の仕組みに改める。原則としてリスクの低い商品に投資した人だけが、2階部分にも投資できるようにする。安定資産による長期的な運用を重視する。運用益の非課税期間はどちらも5年とする。

年間の投資限度額は1階が20万円、2階が102万円、総額122万円とする方向で調整している。全体で5年にわたり最大610万円を非課税で運用できる。

投資対象の商品は、金融庁と証券業界が調整を進めている。新制度の1階は現行の「つみたてNISA」とほぼ同じになる。2階については、リスクが高すぎて資産形成に向いていないものを除外する方向で調整している。

NISAは個人の資産運用を貯蓄から投資に振り向けることを目的に設けられた。現在、1100万超の口座がある。だが株式などの短期売買に使われることも多いとの指摘から、税優遇への批判がある。

低リスクの投資信託などに投資対象を限定し、年間40万円を上限に運用益が20年間非課税のつみたてNISAも見直す。37年までの投資期限を42年まで5年延長する。23年までに始めれば、20年間は積み立てられるようになる。

24年以降の利用者は新NISAか、つみたてNISAのいずれかを選ぶ。一方、未成年を対象にした「ジュニアNISA」は23年までの投資期限を延長せずに終了する。口座数は30万台で頭打ちになっている。

政府・与党は17年度の税制改正大綱のなかで、複数制度があるNISAは、将来的に「少額からの積立・分散投資に適した制度への一本化を検討する」としていた。新制度もこの方針を踏まえ、現行制度より積み立てを重視したものになる。政府・与党は今後も、資産形成に最適な制度を模索する。

積み立て投資 正しく理解しよう 複利効果が魅力 リスクも忘れずに

投資にリスクはつきものだ。長期投資に有効な積み立て投資にもリスクはある。実際のリターンはリスクによってブレが大きくなり、商品によってコストも異なる。老後資産問題に関心が集まる中、積み立て投資で注意すべきリスクやコストを正しく理解しよう。

■運用効率、「シャープレシオ」で比較

「あなたの家計は、長生きできる?」――。11月17日、こんなテーマのイベントに1700人が詰めかけた。マネーフォワード(3994)が都内のホテルで開いた「お金のEXPO2019」だ。多くの人が資産寿命を延ばそうとセミナー会場や金融機関などのブースに足を運んだ。

マネーフォワードの「お金のEXPO2019」には1700人が来場し、積立投資のセミナーなどに参加した(2019年11月17日、東京都港区)
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マネーフォワードの「お金のEXPO2019」には1700人が来場し、積立投資のセミナーなどに参加した(2019年11月17日、東京都港区)

「自分の感情を排除しながら資産形成ができる」。3年前に積み立て投資を始めた宇野健一さん(仮名、36)はそのメリットをこう話す。投資歴は10年に及ぶが、途中から積み立て投資を中心とした投資スタイルに変えた。毎月約5万円を三菱UFJ国際投信の「eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)」やバンガード・インベストメンツ・ジャパンの「バンガード・S&P500 ETF」に投じる。

積み立て投資は老後の資産形成にとって大きな武器になる。毎月決まった金額を投資して運用するため、老後までの期間のメリットを生かせば複利効果でリターンも大きくなる。例えば日経平均株価の過去5年間の利回りは年6.9%だが、20年間、毎月1万円ずつ積み立てたとすると最終的には514万6474円になる計算だ。宇野さんの投資利回りは現在、年約10%。この利回りが続けば、毎月5万円の積み立てで20年後に約3800万円まで資産が増える。

ただ実際にはこうした高いリターンは得られない可能性もある。利回りが高ければその分リスクも大きくなりがちだ。リターンのブレの範囲を示すのが「標準偏差」だ。標準偏差が10%の場合、利回りには±10%のブレが生じる。その確率は約68%だ。利回りが5%なら実際はマイナス5〜プラス15%の範囲の利回りになる可能性が高い。

そこで注目したいのが投資の効率性を示す「シャープレシオ」だ。数値が高いほどこれまでに小さいリスクで大きなリターンを得たことがわかる。

10月末時点で過去3年間の運用成績を見た場合、最もシャープレシオが高い国内株型のファンドは、東京海上アセットマネジメントの「東京海上・ジャパン・オーナーズ株式オープン」だった。オーナー企業に投資する好成績ファンドとして知られる同ファンドのシャープレシオは、1.88と群を抜く。
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▼シャープレシオ リスクに対してどれだけ効率的にリターンを稼いでいるかを示す指標。ファンドごとの運用効率を簡単に比較でき、数値が高いほど運用効率が高い。ファンドの一定期間のリターンから国債などの無リスク資産の利回りを引いた値を利回りの変動度合いを示す「標準偏差」で割り出して求める。
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高配当銘柄に投資する投信も運用対象となりそうだ。格付投資情報センターの岡忠志投信事業部長が注目するのは、三井住友DSアセットマネジメントの「三井住友・配当フォーカスオープン」だ。NTTドコモ(9437)やKDDI(9433)など高配当銘柄に投資するため「安定した銘柄が多く配当もあるため、マーケットが急落してもマイナスになりにくい」(岡氏)という。標準偏差は12.06%と低く、シャープレシオも0.92と上位につける。

日興アセットマネジメントの「日興キャッシュリッチ・ファンド」も同様にリスクが小さくシャープレシオが高いのが特徴だ。投資対象は任天堂(7974)やリクルートホールディングス(6098)などで、現金など流動性の高い資産を多く保有する割安銘柄に投資する。余剰資金を多く抱えていれば今後の株主還元や成長力強化への投資にも充てやすい。標準偏差は13.22%、シャープレシオも0.91だ。

リスクを負いたくない場合は、国内外の株式や国債などに分散投資するバランス型のファンドを選ぶ手もある。注意が必要なのは、投資対象の比率を固定するバランス比率固定型と、ファンドマネジャーがポートフォリオを機動的に見直すバランス比率変動型の2種類に分けられる点だ。固定型の場合、例えば債券の金利が低くなっても一定の比率まで購入し続けるため、リターンが低下することもある。

こうした運用担当者が自らの目利きで銘柄を選ぶ「アクティブ型ファンド」では、シャープレシオによる差が顕著に表れる。一方で、指数に連動する「インデックス型ファンド」では、同じ指数に連動するため、リターンとリスクは同程度になる。高い投資効率を求めるなら、アクティブ型ファンドのほうが有効だ。実際、過去3年間の実績をみると、アクティブ型ファンドでシャープレシオが1.00を超えるケースが多い。


積み立て投資は期間のメリットを最大限にいかせるのが強みでもある。若年層のうちはリスク資産の比率を高めて、年齢とともに比率を下げるといった期間の分散も必要になる。2020年度の税制改正では積み立て型の少額投資非課税制度(つみたてNISA)の延長・拡充が議論されるなど、積み立て投資への注目度が高まっている。リスクを正しく理解した上で投資することが何よりも重要だ。

ピースサインから指紋パターン、瞳から最寄り駅――。スマートフォンで撮影し、SNS(交流サイト)に投稿した画像などから、生体情報やプライバシーが読み取られてしまう懸念が強まっている。スマホなどのカメラの画質が飛躍的に向上し、鮮やかな写真を楽しめるようになった半面、精密な分析が可能になり、悪用されるリスクが増したという。思わぬトラブルにつながらないよう、自衛が求められている。


笑顔の横にピースサインを出した実験用の画像。指の第一関節までを拡大して誰にでも可能な画像処理を施し、指紋の線を抽出する。スタンプを製造する市販機器にこのデータを読み込ませて素材を加工すれば、指紋の溝が再現された偽の「指」ができあがる。

指紋の特徴を照合する高精度のソフトでも、この「指」を偽物と見抜くことはできなかった。「市販製品を組み合わせただけで、極めて高度な技術は使っていない」と研究した国立情報学研究所の越前功教授は語る。

同教授らのグループは、生体情報が悪用される危険性を研究してきた。本人が触った痕跡からの指紋複製の手法が海外で公表され、指紋認証の脆弱性に着目。画像からの再現法をシンポジウムで発表している。

光の当たり方など条件がそろえば古いスマホのカメラでも、再現可能な精度で指紋が写る。指紋認証はスマホの本人確認やオフィスの入退室管理で広く活用され、他人のなりすましを許せば情報漏洩などのリスクはさらに高まる。

越前教授によると、この手法が悪用されれば、光学方式など様々な種類のある指紋認証システムの一部が突破される可能性がある。同教授は「指紋など生体情報は一度盗まれたからといって、変えられない」と指摘、指紋が読み取られないよう指に貼るシールの開発を進める。

実際に起きた事件からは、画像に写る瞳から撮影場所を読み取られる危険性も浮かび上がった。警視庁は9月、アイドル活動をしていた20代女性の自宅マンションの玄関前で体を触ったとして、20代の男を強制わいせつ致傷容疑などで逮捕。捜査関係者によると、男は調べに「瞳に映った景色を手がかりに女性宅を調べた」と供述したという。

現場の状況や撮影の角度によって、目の表面に広い範囲の景色が映り込むことがある。男は女性のSNSに投稿された顔の画像を悪用。瞳に映った建物の特徴から女性の最寄り駅を割り出し、駅から女性をつけて自宅住所を把握した。捜査幹部は「ストーカーの新手の手法」と警戒する。

「全国webカウンセリング協議会」(東京・港)には、投稿した画像から住所などを割り出されたと思われる人からの相談が多く寄せられる。ネット上の情報を組み合わせて住所や職業を調べる手法は「モザイクアプローチ」と呼ばれ、本人だけでなく、知人の投稿画像から情報が特定される場合もある。

農業を営む新潟市の女性(42)は、農作物やイベントで撮影した画像を日常的にSNSに投稿。自分の居場所について「ここにいるのでは?」と知らない人からメッセージが届いたことがあるという。

「人脈ができることもあり、SNSをやめるのは難しい。居場所の分かる写真は翌日に投稿するなど注意を払いながら利用したい」と話す。

ITジャーナリストの高橋暁子さんは「無意識のうちに自分の個人情報が悪用されるリスクを自覚する必要がある。投稿画像を加工して解像度を下げるほか、固有名詞を写り込ませないなどの手段も有効だ」と話している。

■スマホカメラ、一眼並み

携帯電話のカメラの性能は新機種が出るたびに進化し、中にはデジタル一眼レフカメラに匹敵する画質を誇るものもある。米アップルのiPhone(アイフォーン)シリーズで写真画質の繊細さを示す画素数を比較すると、2009年発売のiPhone3GSが300万画素だったのに対し、19年に発売された最新のiPhone11Proでは4倍の1200万画素になった。

画素数は写真を構成する点の数で、多ければ多いほど、画像を拡大した場合でもきめ細かに表示できる。スマートフォンの中には2千万画素を超える機種もあり、デジタル一眼レフカメラに匹敵する画素数だ。

(野元翔平氏)


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